令和2年第4回予算特別委員会第1分科会(令和2年12月8日)1.国内航空路線の水際対策について 2.空港の民間委託について 3.新千歳空港の24時間運用について
2022.11.14
令和2年12月8日(火曜日)予算特別委員会第一分科会
1 国内航空路線の水際対策について
・ 道内空港における感染防止への対応
・ 検温機器の設置状況と運用方法
・ 今後の感染症対策の取組
2 空港の民間委託について
・ 北海道エアポートの現状に対する認識
・ 7空港への投資の見直しに対する対応
・ テナントの経営継続に向けた対応
・ 今後の取組
3 新千歳空港の24時間運用について
・ 住宅防音工事の実績と進捗状況及び工事計画内容と住民への説明状況
・ 民間委託後の見解
・ 北海道エアポートからの協力状況と今後の見通し
・ 工事計画の弾力的見直しに対する考え
・ 今後の住宅防音対策等について
1 国内航空路線の水際対策について
(梅尾要一議員) おはようございます。
私から、通告に従って、逐次、質問させていただきたいと思います。
まず、国内航空路線の水際対策ということで質問をしてまいります。
新型コロナウイルス感染症は、今、世界規模で拡大を続けており、終息はいまだ見えていません。その影響を受け、国内外の移動は制限を受け、あるいは、自粛により、国内の緊急事態宣言下の5月には、本道の国内航空路線は前年対比で90%を超える減少となり、国際線においては、3月下旬から現在に至るまで全便欠航という壊滅的な状況となっております。
その後、緊急事態宣言の全面解除以降、国内線の需要については緩やかに回復しているものの、11月になり道の警戒ステージレベルが上がるなど、予断を許さない状況となっております。
世界的に航空会社や空港関連企業の業績悪化が続いており、本道においても、本年1月から本格的に経営がスタートした、北海道エアポート株式会社をはじめとする航空・空港関連事業者は極めて厳しい経営状況に至っております。
また一方で、現在、欧米においてワクチン開発が先行して進んでおり、いずれは、ポストコロナ・ウィズコロナの時代として、感染拡大防止と社会経済活動を両立させながら航空需要を回復させ、観光やビジネス、物流などの活性化につなげていかなければならないと考えるところであります。
このような現状を踏まえ、道の航空政策に関し、幾つか伺ってまいりたいと思います。
まず、1点目として、道内空港における取組についてでありますが、国内航空路線の水際対策に関し、道内空港における取組状況について伺います。
感染状況のいかんにかかわらず、どうしても道内外を往来する必要がある場合も当然あるわけであり、感染拡大を防止しながら安心して航空機を使って移動していただくためにも、必要な仕組みや体制は欠かせないものであります。
国際線においては、検疫として厚生労働省を中心に体制が取られるものでありますが、国内線においては、道としても様々な取組を行ってきたものと承知しております。
本道における道外との最大の玄関口である新千歳空港をはじめとして、道内各空港において、これまでどのような対応が取られてきたか、まずお伺いしたいと思います。
(航空課長) 道内空港における国内線での新型コロナウイルス感染症対策についてでございますが、道では、国の緊急事態宣言の期間における新型コロナウイルス感染症の蔓延防止策として、都道府県をまたぐ移動の自粛を促す注意喚起などを目的に、来道者の大多数が利用する新千歳空港の到着口において、サーモグラフィーによる検温、注意喚起を4月15日から5月31日まで実施したほか、函館、旭川、帯広の各空港においても、地元自治体等により同様の取組が行われました。
5月14日に策定された航空分野のガイドラインにより、空港における感染症対策については、航空事業者や空港ビル会社といった関係事業者が自ら実施することとされたところです。
このため、道では、新型コロナウイルスの影響により経営が逼迫する航空業界において、これらの対策がより一層促進されるとともに、「新北海道スタイル」の実践が図られるよう、第3回定例会において、道内空港で検温機器の設置を支援する補助制度を創設いたしました。
(梅尾要一議員) 第3回定例会の補正予算として、道内空港に検温機器を設置する補助制度を創設したということでありますが、現在、各空港における設置状況はどのようになっているのでしょうか。
また、設置された検温機器の運用はどのように行われているのか、お伺いしたいと思います。
(航空課長) 検温機器の設置状況などについてでございますが、道内各空港におきましては、航空事業者や空港ビル管理者、関係自治体が、出発口、到着口の両方に検温機器を設置しており、このうち、新千歳空港では、日本航空、全日本空輸及び北海道エアポートの各社により、7月22日から、順次、検温機器が設置され、他の民間委託6空港を含め、10月1日までに北海道エアポートにより同様に設置されたところです。
また、民間委託を行っていない5空港においても、現在までに、空港ビル会社及び関係自治体により検温機器が設置されており、道内全ての空港の出発口と到着口において検温が行われております。
空港ビル管理者等による検温機器の運用につきましては、出発口においては、各航空会社と連携し、搭乗者に対する検温を行っているほか、到着口では、自身による検温に加え、9月16日に稼働した北海道新型コロナウイルス感染症健康相談センターの案内等が記載されたチラシの配置により、来道者への注意喚起を図ることで、旅行者や地域住民の安心感につながるよう取り組んでおります。
(梅尾要一議員) 次に、今後の道の対応についてお伺いしたいのですが、現下は厳しい感染状況にありますが、終息が見られれば、経済活動の回復を目指す様々な動きに伴い、航空機を利用した人の往来の増加が見込まれるわけであります。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の動きは、これまでも予想が困難であったように、これからも想定外の影響を及ぼすことが考えられます。
今後、道として、航空需要の回復を見据え、どのように感染症対策に取り組んでいくのか、考えをお聞かせいただきたいと思います。
(航空局長) 今後の対応についてでございますが、今後、社会経済活動の段階的な回復に伴い、道内外の人の往来が増加することが見込まれる中、多くの来道者が利用する道内の各空港において、関係者の連携の下、感染リスクを低減させる対策に取り組むことは、旅行者や地域住民の安全、安心に寄与するとともに、将来的に本道の航空需要を回復させていく上でも重要なものと考えております。
道といたしましては、今後の航空需要の回復状況などの的確な把握に努めつつ、感染拡大防止と社会経済活動の両立を見据えながら、関係事業者や空港所在自治体などと共に、検温機器の設置支援といった事業をはじめ、様々な感染症対策に取り組むことで、航空分野のガイドラインと「新北海道スタイル」の実践を進めてまいる考えでございます。
2 空港の民間委託について
(梅尾要一議員) ぜひとも、今後とも、道としてでき得る限りのことを関係事業者や所在自治体と共に取り組んでいただくことをお願いしたいと思います。
次に、空港の民間委託についてお伺いをしたいと思います。
空港の民間委託は、空港運営を民間に委託することにより、滑走路などの航空系事業とターミナルビルなどの非航空系事業を一体に運営することで、効率的、効果的な空港経営を通じて航空ネットワークの充実を図り、国内外の観光やビジネスなどの交流人口を拡大させることで、地域経済を活性化させようとするものであります。
特に、道内空港の民間委託は、管理者が異なる七つの空港を一括して委託するという前例のないものであり、これまで、道は、管理者である国、旭川市、帯広市や各空港の所在自治体と共に一括民営化の実現に向けて取り組んできたものと承知をしております。
私としても、民間委託による効果が地域経済の活性化、ひいては、本道経済の起爆剤になるものと大いに期待を申し上げているところであります。
一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大により、航空・空港業界は大きな打撃を受けております。
以下、コロナ禍における道内7空港の民間委託について伺ってまいりたいと思います。
まず、1点目は、空港の民間委託についてでありまして、北海道エアポート株式会社の置かれた現状についてお伺いをしたいと思います。
北海道エアポート株式会社は、本年1月からの7空港一体のビル経営開始を皮切りに、6月には新千歳空港、10月には旭川空港の滑走路等の運営が移行され、来年3月には残りの5空港において運営が移行される予定となっております。
こうした運営移行のプロセスは予定どおり進んでいるようでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の航空需要は低迷し、同社は大きな影響を受けているものと思われます。
同社が置かれた現状について、道の認識をお伺いいたします。
(空港戦略担当課長) 北海道エアポートの経営状況についてでありますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う航空需要の大幅な落ち込みにより、本年4月から9月までの半年間における道内7空港の乗降客数は、国内線が344万人となり、対前年同期比で約25%の利用実績にとどまり、また、国際線は同期間の旅客便の運航がなかったため、国内と国際の合計では、対前年同期比で約22%と大幅に落ち込む結果となっております。
こうした状況を反映し、同社が11月26日に公表した今年度の上期連結決算においても、空港ビル会社などを含めたグループ全体の最終的な損益は98億円の赤字となるなど、北海道エアポートは、その運営開始当初から今に至るまで、大変厳しい経営環境に直面しているものと認識しているところでございます。
(梅尾要一議員) そういう現下の状況の中で、投資の見直しについてでありますが、新型コロナウイルス感染症は北海道エアポート株式会社の経営に大きな影響を与えていると今お伺いをいたしました。
こうした中、新聞報道等によれば、北海道エアポートは、新型コロナウイルスの影響による航空需要の落ち込みが長期化するものと判断し、今後、7空港で予定している投資の見直しを検討しているということでありますが、昨今の航空需要の低迷を思えば、全て計画どおりに投資を行うというわけにはいかないことは十分理解をできるところであります。
こうした投資の見直しの動きに対して、道はどのように対応していくのか、お伺いをしたいと思います。
(空港戦略担当局長) 投資の見直しについてでございますが、感染症の終息のめどがつかない中、北海道エアポートの収入等への影響も見通せない状況にありますことから、見直しの具体的な内容やスケジュールはいまだ確定しておりませんが、同社は、当面、需要回復が見込めない国際線に関する投資を後ろ倒しにし、まずは、回復傾向にある国内線の需要を取り込むため、国内線関連施設を中心に投資を行うほか、離発着の少ないこの時期に効率的に実施できます新千歳空港国際線の給油体制強化といった、将来を見据えた投資を行う方針であるものと承知をしております。
このような中、国におきましては、先日公表した、コロナ時代の航空・空港の経営基盤強化に向けた支援施策パッケージにおいて、民間委託空港における空港活性化投資の後ろ倒しを柔軟に認めることによりまして、空港運営会社の資金繰りを支援する施策を盛り込んだところでありまして、道といたしましても、今後、北海道エアポートから投資の見直しについて具体の相談があった場合には、空港運営事業が円滑に遂行できるよう、他の管理者とも連携を密にしながら柔軟に対応してまいりたいと考えております。
(梅尾要一議員) 今お話しがあったように、北海道エアポートから相談があった場合には柔軟に対応してまいるとのことでありました。北海道エアポートの話を丁寧に聞いていただき、経営の安定化につながるよう、しっかりと対応をお願いしたいと思います。
さて、新型コロナウイルス感染症の拡大は、北海道エアポートの経営のみならず、空港ビルに入居している飲食店や物販店といったテナントにも大変大きな影響を与えております。空港を利用するお客様にとっては、北海道らしい食事ができて、北海道のお土産を買い求めることのできるテナントめぐりも旅の楽しみの一つであり、特に、私の地元である新千歳空港のにぎわいは全国でも有数のものと考えておりますが、テナントの皆さんに聞くと、航空機の利用者の大幅な減少に伴って大変厳しい経営状況が続いているとのことであります。
北海道エアポートは、自らの経営が苦しい中でも、賃料の実質的な値下げを行うなど、各テナントの経営にも御配慮をいただいているようでありますが、こうした空港のにぎわいに欠かせないテナントがその経営を継続していけるよう、道としてどのように対応していこうとしているのか、お伺いをしたいと思います。
(空港戦略担当局長) テナントの事業継続についてでございますが、空港が活気にあふれ、利用者にとって魅力のある場所となるためには、飲食や物販などのテナントは必要不可欠なものと考えておりますが、感染症拡大の影響による航空需要の大幅な減少を受け、各テナントも大変厳しい経営環境にあるものと承知をしております。
こうしたテナントの経営を支援するため、北海道エアポートは、7空港で賃貸料を一定程度減額しておりまして、これを踏まえて、道といたしましても、同社を支援するため、本年6月、賃貸料を減免した場合の減収相当分への支援につきまして国に要請を行ったほか、賃借人に対する国の家賃支援給付金について、来年1月15日に申請期限を迎えますことから、全国知事会を通じて制度の継続、拡充を要望したところでございます。
道といたしましては、これらの要望に加えまして、テナントの経営にも資するよう、にぎわいの創出も含めた空港活性化の取組について、今後、空港別の協議会において協議を進めてまいりますとともに、感染症の状況を踏まえながら、引き続き、ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン推進事業など、道内や国内の需要回復に向けた取組を通じて、空港内のテナントが安定的に事業を継続できるような環境を整えてまいりたいと考えております。
(梅尾要一議員) 次に、道内7空港の一体の取組についてお伺いしたいと思います。
これまで御答弁いただいたとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大により、道内7空港の一括民間委託に当たって想定していた状況は一変しましたが、これに対し、北海道エアポートは、国内線を中心とした投資を行い、国内需要の取り込みを図っていく方針とのことでありますが、そもそも、このような状況下で、航空ネットワークの充実や広域観光の振興を図るとする道内7空港の一括民間委託の目的を達成するためには、独り北海道エアポートの取組のみで可能となるものではなく、空港所在自治体をはじめ、関係自治体のほか、地元経済界など、多くの関係者の力を結集させることが必要であり、特にコロナ禍においては、こうした関係者を巻き込みながら、道内7空港が一体となってこの難局を乗り切る必要があると考えます。
道は、これまでどのように取り組み、今後どのように対応していこうとしているのか、お伺いをしたいと思います。
(総合政策部交通企画監) 道内7空港による今後の取組などについてでありますが、道では、本年8月に、北海道エアポートの社長、関係自治体の首長及び知事が出席したウェブ会議を開催いたしまして、感染防止を徹底しつつ、航空需要の回復に向けた取組を進め、共に同社を支えていく旨、出席者間で認識を共有したところであります。
このような共通の認識の下、同社は、道や関係自治体などから成る空港別の協議会を順次設置しているところであり、道内7空港全てで協議会を開催した後に、各協議会で得られた意見等を取りまとめる場として、7空港一体の協議会を開催するものと承知しております。
道としては、こうした協議会の場を活用して、同社や地元自治体など、地域の関係者との連携をより一層緊密なものとし、感染症の状況を踏まえながら、当面は、国内線を中心に、7空港一体で航空需要の回復に向けた各般の施策を展開するなどして、今後とも、航空ネットワークの充実強化に向け、関係者一丸となって取り組んでまいります。
以上です。
3 新千歳空港の24時間運用について
(梅尾要一議員) ぜひ、道内、国内の需要回復にしっかりと取り組んでいただき、関係者一丸となって北海道エアポートを支えて、この難局を乗り切っていただきたいというふうに思います。
次に、新千歳空港の24時間運用についてお聞きをしてまいりたいと思います。
北海道エアポートが運営する新千歳空港は、深夜・早朝便の運航が可能な24時間運用の空港となっております。24時間運用は、平成27年には、住民の皆さんと道、千歳市、苫小牧市が合意し、午後10時から翌朝7時までの時間帯、いわゆる深夜・早朝時間帯の航空機の離着陸について、それまで1日6回だったものが30回へと拡大されたものであります。私は、この24時間運用が、ウィズコロナ、ポストコロナにあっても、新千歳空港の今後の発展に大きな効果と可能性をもたらすものと考えているところであります。
その一方で、地域住民は、深夜、早朝といった、人が最も静かに過ごしたい時間帯に航空機騒音を受けることとなり、その影響を最小限に抑えることは、合意した道、空港を運営する北海道エアポートの責務と考えているところであります。
そこで、数点伺ってまいりたいと思います。
まず、新千歳空港の24時間運用に係る住宅防音工事についてであります。
道及び千歳市、苫小牧市が出資する公益財団法人新千歳空港周辺環境整備財団では、平成27年の合意からこれまでの間、地域住民への深夜・早朝時間帯における航空機騒音の影響を軽減するため、住宅を改修して防音効果を高める住宅防音工事を実施してまいりました。
この住宅防音工事について、これまでの実績、進捗状況についてお伺いをしたいと思います。
(新千歳空港周辺対策担当課長) 住宅防音工事の進捗等についてでございますが、新千歳空港の深夜・早朝便の運航は、航空機騒音の影響を受ける空港周辺地域にお住まいの皆様の御理解と御協力が不可欠であり、そのための住宅防音対策は特に重要なものと認識しています。
道では、平成27年の事業開始以降、千歳市及び苫小牧市の対策区域において、平成27年10月31日に所在または建築確認申請が受理されている住宅等を対象とし、昨年度までに668世帯の工事を実施しており、今年度に実施を計画しております200世帯と合わせますと、今年度末には、住宅防音工事を希望した全世帯の約30%を終える見込みとなっております。
以上でございます。
(梅尾要一議員) 住宅防音工事の計画についてですが、現在、コロナ禍の状況にあっても、深夜・早朝便は運航をしているわけであります。まだ防音工事をされていない住宅にお住まいの方々は、深夜・早朝便の騒音による影響を今なお受けているわけでありまして、そういった方々の多くが防音工事の順番を待っている状況であります。
いまだ30%の進捗状況ということでありますので、まだまだ多くの方々が待っているわけでありますが、道では、今後、どのような計画で住宅防音工事を進めていこうとしているのか。また、そういった考えは、地域の方々、待っている方々にしっかりと説明をされているのかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。
(新千歳空港周辺対策担当課長) 住宅防音工事の計画についてでございますが、道では、このたびの住宅防音対策に当たっては、対象となる住宅にお住まいの方の意向に沿うよう期限を設けずに実施することとしており、施工においては、航空機騒音の影響の大きい地域に所在する住宅、65歳以上の高齢者や乳幼児、また、障がいをお持ちの方々がお住まいの住宅のほか、簡易な工事のみを希望する住宅等を優先して、年間200世帯の住宅の工事が実施できるよう、計画的に進めてきたところでございます。
これらの対応につきましては、道と千歳市、苫小牧市等が地域住民等の代表者の皆様と新千歳空港の24時間運用に係る対策等について議論する場である地域協議会で毎年説明し、地域の皆様からも御理解をいただいております。
以上です。
(梅尾要一議員) そういった地域協議会を開きながら、理解を得て進めてきているということでありますが、今までは北海道が中心になってやってきていて、今年からは、新千歳空港が国から北海道エアポートに運営が移管されて、住民の方々からは、本当に大丈夫だろうか、このままきちっと防音工事が進むのだろうかという声も聞かれているところであります。
引き続き、その責任を持って、民間委託後もこの工事が進んでいくのかどうか、その見解を再度お聞かせいただきたいというふうに思います。
(航空局長) 民間委託後の住宅防音対策についてでありますが、新千歳空港の国際拠点空港化を推進し、本道経済の活性化を図るためには、深夜、早朝に運航する国際航空貨物便やLCCなどの誘致が必要であり、道としては、空港の機能強化として24時間運用を推進することが重要と認識をいたしております。
このたびの住宅防音対策は、深夜・早朝時間帯の発着枠拡大に伴い、空港周辺地域にお住まいの皆様の新たな負担を可能な限り軽減するために実施することを、地域の住民の皆様とお約束したものでございます。
道といたしましては、これまでどおり、民間委託後においても、千歳市及び苫小牧市と連携し着実に取り組んでまいる考えであり、地域協議会においてもこうした考えを表明しているところでございます。
(梅尾要一議員) しっかりと進めていただきたいと思います。
次に、北海道エアポートの負担についてということでありますが、私は、新千歳空港の24時間運用に係る住宅防音対策は、これまでどおり、道が主体的に取り組むべきと考えておりまして、一方、空港運営会社である北海道エアポートにも、24時間運用に係る住宅防音対策への協力を仰ぐべきと考えております。
昨年の3定議会での一般質問で質問したところ、道からは、協力を求めているとの答弁がありました。北海道エアポートからの協力は得られたのでありましょうか。
また、私は、新型コロナウイルス感染症の影響により、北海道エアポートの経営は大変厳しいものと認識しております。そうしたことを総合的に考えた場合、このような厳しい状況の中、協力が継続して得られるのかどうかという不安を持っておりまして、その見通しについてお聞きをしたいというふうに思います。
(航空局長) 北海道エアポートの負担についてでございますが、新千歳空港における24時間運用は、本道の航空ネットワークの充実等を図り、広域観光の振興を含めた地域経済の活性化を目指す北海道エアポートにとっても大きなメリットになるものと考えており、道では、同社に対して、地域協議会への参加と住宅防音対策事業への協力を求めてきたところでございます。
本年6月には、新千歳空港における深夜・早朝時間帯の運航を円滑に実施することを目的として、道、千歳市、苫小牧市、財団及び北海道エアポートとの間で、新千歳空港24時間運用に係る基本協定書を取り交わしており、今後は、本協定書に基づき、地域協議会への継続した参加と、住宅防音対策の費用の一部として、本年度から、毎年、1億7000万円を15年間にわたって負担していただくことになってございます。
(梅尾要一議員) 次に、住宅防音対策の推進の拡大についてであります。
今お話ししたように、北海道エアポートからも協力をいただきながら、防音対策を早期に完結するよう進めていかなければならないわけでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、深夜・早朝便についても多くの便で運休が続いていると認識をしております。
しかし、そういった中でも運航されている便もあり、地域住民に対する騒音の影響がなくなったということではないわけであります。特に、高齢者においては、一日も早く防音工事をしてもらいたいと思っている方が、私の知る限り、大変多くいらっしゃいます。
私は、地域の声をよく聴いて、工事の計画を弾力的に見直すべきだと質問してきましたが、道としてどのように考えているのか、お伺いをしたいと思います。
(新千歳空港周辺対策担当課長) 高齢者がお住まいの住宅に係る対策についてでございますが、住宅防音対策につきましては、これまでも、地域協議会の場において、事業を進める上での課題や実施状況などを説明し、地域との議論を経て、必要に応じ見直しを行うなど、可能な限り地域の実情に寄り添って進めてきたところでございます。
こうした地域との協議の中で、特にお年を召した高齢者がお住まいになっている住宅の工事は優先して実施すべきとの声が多くありましたことから、道では、このような御意見を踏まえ、従来の計画に加え、85歳以上の高齢者がお住まいになっている住宅の防音工事を実施することとし、このことにつきましては地域の皆様の了承を得られているところでございます。
以上です。
(梅尾要一議員) 今答弁があったとおり、その前も進捗状況をお聞きしましたが、今は30%ちょっとであります。お話しのように、高齢者の方々が、今、80歳であれば、全て終わるまでにあと7年、今の状況でいけばかかります。現実として、87歳まで本当に生きているかどうかというようなこともありますし、そうした方々も住民として数多くいらっしゃるわけです。今、元気なうちに騒音のないところに住みたいという、本当に切実な思いの高齢者が、あの地域は古い地域でありますから、非常に多くいらっしゃいます。
高齢者の防音対策については、今かなり見直されていますけれども、まだまだ加速して、待っている高齢者の方がたくさんいらっしゃるので、できるだけ早く、そして、その対策を進めるときには柔軟な対応をお願いしたいと思います。
次に、今後の住宅防音対策についてということで、道内7空港の一括民間委託は、空港を核とした北海道の活性化が進み、知事が目指す新交流時代を進める上で大きな弾みになるものと考えます。その中でも、新千歳空港は中心となる重要な空港であり、24時間運用は大きな柱の一つであります。
今後、新千歳空港の24時間運用における住宅防音対策に関し、今お話ししたようなことも含め、道の決意を改めてお伺いしたいというふうに思います。
(総合政策部交通企画監) 新千歳空港の24時間運用に係る今後の住宅防音対策についてでありますが、このたびの住宅防音対策は、深夜、早朝の時間帯における航空機騒音の影響を受ける地域住民の皆様の御負担を可能な限り軽減するために実施することをお約束したものでありまして、ただいま委員から御指摘の高齢者住宅を含め、着実に進めていかなければならないものと認識しております。
道といたしましては、地域住民の皆様の思いをしっかりと受け止めながら対応していくことが何よりも重要であると考えておりまして、今後も、千歳市及び苫小牧市のほか、北海道エアポート株式会社と共に連携し、地域住民の皆様の安心、安全な暮らしの確保に向けて着実に取り組んでまいります。
以上です。
(梅尾要一議員) 今、交通企画監から力強い答弁を頂きましたので、今後も、地域に寄り添って、遅滞なく住宅防音工事を進めていただくことを求めたいと思います。
また、コロナ禍を踏まえた道内空港発着路線の回復に向けた支援が今後必要だというふうに考えておりまして、道内航空路線の旅客需要回復に向けて、北海道エアポート株式会社及び地域と連携した観光誘客プロモーション等の施策を一層推進していただくことや、国際航空路線網の回復に向けて、道内空港初の貨物便への就航支援と旅客便の再開後の安定運航に向けた観光誘客プロモーション等の施策を併せて推進していただきたいというふうに指摘をしておきたいと思います。
また、国際航空路線の就航支援制度の継続等、新規航空路線の開設に当たり、航空会社へのインセンティブとなる国際航空定期便就航促進奨励事業費補助金を継続していただきたい。これについては来年切れることになっておりますので、それをお願いしたい。それから、これらを弾力的に運用し、このコロナ禍にあっては、1年と言わず、半年でもこの制度の対象になるよう、支援をしていくべきだというふうに考えておりますので、これも指摘させていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。