平成23年定例会本会議一般質問
2011.09.13
平成23年定例会本会議一般質問
① 第3回定例会本会議一般質問
一 東日本大震災を踏まえた防災体制の強化や自衛隊との連携について
二 自衛隊の体制維持・拡充について
三 空港運営のあり方について
四 高等養護教育の充実について
○梅尾要一議員
自由民主党・道民会議のトップを切り、通告に従いまして、順次御質問をさせていただきたいと思います。
まず1点目として、東日本大震災を踏まえた防災体制の強化や、自衛隊との連携についてお伺いをいたします。
さきの東日本大震災においては、マグニチュード9.0の大地震や大津波の発生により、東北地方の太平洋沿岸を中心に甚大な被害が発生しており、道においても、今後の防災体制の強化に取り組むものと承知をしております。
北海道からも、道警を初め、さまざまな職種の職員が被災地で救援に当たられた一方、自衛隊においても、道内の駐屯地から約1万2800名の自衛隊員が被災地に派遣され、過酷な状況の中、自衛隊でなければ対処できない多くの困難な業務に対応し、被災者はもとより、国民は皆、高く評価しているところであります。
このような未曾有の大災害に対応するためには、道などの地方自治体と自衛隊とのより一層の連携が必要と考えますので、以下、今回の東日本大震災を踏まえた防災体制の強化や、自衛隊との連携などについて、数点お伺いをいたします。
まず1点目として、物資輸送にかかわる船舶輸送業者との協定についてであります。
北海道は、本州との間に海を隔てており、今回の東日本大震災の例を見ましても、大型車両等、物資の大量輸送に当たって、船舶の活用は必要不可欠であります。
道から支援物資を搬送する場合、また、道が被災地となって支援物資を受け入れる場合のどちらにも円滑に対応できるよう、あらかじめ、船舶業者と災害時における物資輸送に関する協定を結んでおくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、港湾等の防災体制の強化、特に苫小牧港の整備についてであります。
太平洋側に面し、なおかつ、航空自衛隊や陸上自衛隊の活動拠点を有する千歳市などに隣接している苫小牧港は、船舶による支援物資や支援車両、機材等の搬送・受け入れ拠点として、重要な役割を担っております。
東日本大震災時には、東北への部隊移動における港湾の使用状況を調べてみても、苫小牧港は、人員1万4000名、車両3700台と、全体の90%、続いて、小樽港は、人員1200名、車両400台、8%、3番目に、函館港は、人員300名、車両80台、2%であり、このことからも、苫小牧港が最重要港であることは明らかであります。
今回の東日本大震災規模の災害であっても、この港湾機能を維持もしくは迅速に回復できるよう、整備強化すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
また、災害時に、最大限、港湾機能を発揮することが重要と考えますが、これについての御所見も重ねてお伺いをいたします。
3点目として、自衛隊駐屯地の体制整備についてであります。
現在、自衛隊においても行政改革が進み、駐屯地の給食業務も外部委託化され、今回の東日本大震災では、給食の受託業者が被災したことにより、駐屯地の隊員は、戦闘糧食、いわゆる缶飯を食べ続ける状況にあったと聞いております。
大震災の救援拠点となった、被災地の駐屯地がなければ、10万人を超える、全国から集まる自衛隊員を受け入れることができなかったわけであり、被災された方々はもとより、災害救助の第一線で活躍した自衛隊員にとって一番重要な給食が供給不能となったことは、大変危機感を持ちました。改めて、自衛隊駐屯地の役割の大きさや、基盤的防衛力の重要性を認識したところであります。
特に救援活動は、精神面はもとより、体力面においても、隊員個々の負担が大きく、健康管理やモチベーションの維持は大変重要なことでありますことから、自己完結した自衛隊本来の姿を確立すべきと考えます。
私としても、このこと自体は、国の問題であることは十分に認識しておりますが、この問題は、北海道が被災した場合、大変重要であると考えますので、道としての御所見をお伺いいたします。
次に、このたびの大震災を経験したことによる教訓の活用についてお伺いをいたします。
このたびの東日本大震災において、道においても、道警を初め、さまざまな職種の職員が被災地に赴き、過酷な状況の中、目的意識をしっかり持たれ、道職員としての能力を存分に発揮されてきたことと承知しております。心から感謝と敬意を申し上げる次第であります。
そこでお伺いしますが、道から被災地へ派遣された職員が、どのような経験をされ、どのような教訓を得たのか、また、この貴重な情報や教訓を、どの部署がどのように取りまとめていくのか、御所見をお伺いいたします。
また、今回の東日本大震災での災害救助や生活支援活動などに、道内駐屯地から1万2800名の自衛隊員が赴き、現地で活動したわけでありますが、被災地における活動を通じ、支援を行う上で、例えば、現状では、地方自治体との間に災害支援協定が未締結であることや、支援物資の搬出入に当たってのルール化がなされていないなど、さまざまな課題も判明してきております。
これらの課題などは、今後、万が一、道内において同様の災害が発生し、道が被災地となり、支援を受ける状況になった場合においても、大変重要な問題であると考えます。
道は、自衛隊が、今回の東日本大震災で得た、自治体との災害支援協定が未締結などの課題や、道から被災地へ派遣された職員が得た課題などについて、地域防災計画の見直しに反映させるなど、課題解決に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
大きな2点目として、道内自衛隊駐屯地の体制の維持拡充についてお伺いいたします。
国においては、平成22年12月、新たな安全保障環境に対応するため、22大綱を閣議決定いたしましたが、この大綱に示す陸上自衛隊編成定数は15万4000人であり、16大綱と比較いたしますと、約1000人の減となります。
しかしながら、現在、平成22年度末の陸上自衛隊編成定数は16万100人でありますことから、これからの10年間で実質6100人、常備自衛官で4600人もの削減をすることになり、戦車や火砲など、22大綱で削減対象となっている装備品が多い千歳市を初めとする道内の各市や町では危惧を抱いているところであります。
今後さらに、道内に所在する陸上自衛隊が削減され、部隊の統廃合等が行われた場合には、北の守りは無論のこと、広大な北海道で、今回のような大震災規模の災害が発生した場合、自衛隊の機動力や、厳しい訓練を受けた隊員及び特殊装備に救助や支援を要請することは明らかであり、災害発生時における対応のおくれにより、道民の生命と財産を守ることが極めて難しくなることが予想されます。
また、このことは、地域経済の破綻、さらには、まちづくりの根底が覆される極めて重大な問題であり、自衛隊所在地では、まちの死活問題として、到底容認できるものではありません。
加えて、今回の大震災を見ても、全国から10万人を超える大規模の自衛隊員が災害救助や生活支援活動等に即応従事し、目覚ましい活動を報道等で目の当たりにした国民は、自衛隊の存在の大きさを再確認しました。
この成果の背景には、自衛隊の活動拠点として、各自治体が、演習場や駐屯地、弾薬庫というような場を提供し、国の防衛施策に積極的に協力してきたことがあると考えます。
他方、我が国周辺の情勢は、北朝鮮の核問題や、中国、ロシアの大幅な防衛費の増強及び活動の活発化、あるいは領土問題などが顕在化しており、自衛隊本来の任務である国防、安全保障への対応、さらには複合災害等を考えた場合、自衛隊員の増員を図らなければ、国民の安全、安心はないと考えるわけであります。
現在、駐屯地等と地方自治体が連携を図り、ともに発展することを目的とした、自衛隊駐屯地等連絡協議会には、道を初め、道内の179の全市町村が加盟しておりますが、今年度の総会において、現行の自衛隊体制維持から自衛隊拡充へと、要請を強めていくことを決定いたしております。
道は、これまで以上に積極的な活動を進めていくべきと考えますが、その認識と体制拡充に向けた知事の決意をお伺いしたいと思います。
3点目として、空港運営のあり方に関する検討会報告書についてであります。
昨年12月に、国は、空港運営のあり方に関する検討会を設置し、知事も、委員として検討会に参加しておりますが、去る7月29日に検討会の報告書がまとめられました。
その後、空港所在自治体や空港ビル会社を対象に、道は8月5日に、国は8月9日に説明会を開催していると承知しておりますが、以下、報告書の内容等について、順次お尋ねをしてまいります。
一つ目として、コンセッションの対象範囲についてであります。
報告書では、「民間の知恵と資金を導入しプロの経営者による空港経営を実現すること」を基本原則の一つとして掲げ、その方法として、改正PFI法により、コンセッションが正式に法律に位置づけられました。所有権は国が保有し、運営権を渡す、そして、税の優遇措置など財務上のメリットがある内容となっております。
運営委託を主たる手法とする場合、コンセッションの範囲はどこまでと想定されるのか、お伺いをいたします。
次に、空港整備の実施主体及び国の役割についてお尋ねをいたします。
空港所在自治体は、航空機燃料譲与税を歳入として受け、一方で空港整備費の一部を負担するなど、これまでも空港と密接なかかわりを持ってきております。
民間への運営委託を行った場合、こうした重要な税と負担のフレームも大きく変わると考えるわけでありますが、残念ながら、検討会では、空港整備勘定については検討対象から外れるため、余り議論されていないことが、空港所在自治体にとって大きな問題としてとらえられております。
滑走路の新設や延長、東日本大震災のような災害時の復旧など、大規模な空港整備については、コンセッションの事業者に実施させることはできないと思いますが、滑走路等の空港基本施設の維持、メンテナンスや大規模な整備はだれが行うこととされているのか、また、民間への運営委託後、国はどのような役割を担うことになるのか、御所見をお伺いいたします。
3点目として、新千歳空港の環境対策についてであります。
空港の騒音対策など環境対策については、新千歳空港では、国土交通省と防衛省との話し合いで、防衛省が環境対策を行っていますが、今後、民間に運営委託されるときは、どのような取り扱いになるのか、環境対策が明らかとなるめどはいつごろなのか、運営権を持った民間事業者が環境対策を実施することはあるのかといった問題のほか、北海道が進める新千歳空港の24時間運用対策として、平成25年度をめどに提案しようとしている発着枠拡大にも大きな影響があると考えますが、道として、これらの問題にどのように対応していくのか、御所見をお伺いいたします。
4点目として、地方への負担についてであります。
報告書では、赤字空港も含めた27ある国管理空港を、2020年までに、民間の知恵と資金を活用した空港経営改革を実現するということが大きな目標となっております。
空港によっては、上下の収支が赤字で、民間の受け皿となる企業がない場合、市町村などが受け皿となることも考えられるのではないかと思いますが、そうしたことは、単に国の赤字の地方転嫁となるだけであり、認められるものではありません。
また、報告書では、黒字空港と赤字空港を一括運営するバンドリングという手法にも言及されていますが、その場合も、経営一体化や他空港とのバンドリングによって収支改善効果が望める場合にとどめております。
民間への運営委託ができず、その後、残った空港をどうするのか、根幹となる考え方が明示されないまま、実行方針の策定やマーケット・サウンディング等の個別の具体論に入っていくことがあってはならないと私は思います。
道は、地方自治体として、国から地方への負担が押しつけられることのないように担保をとるべきではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
最後に、高等養護教育の充実についてお伺いをいたします。
先日決定された、平成24年度公立特別支援学校配置計画において、知的障がい特別支援学校高等部の平成25年度の見通しとして、道央圏においては、閉校予定の千歳市立真町中学校の校舎の活用により、また、十勝圏においては、幕別高校の空き教室の活用により、それぞれ、3学級相当、2学級相当の間口の確保を検討することが決定され、今議会では、補正予算として施設整備費が計上されたところであります。
千歳市は、平成5年から、千歳市への特別支援学校の設置について要望活動を続けてきたところであり、また、5万筆を超える署名を集めるとともに、昨年6月には、特別支援学校設置についての請願が採択されるなど、全市民を挙げて誘致活動を行ってきたところであります。
このたびの配置計画の決定と補正予算案の計上は、関係者の努力により、千歳市にとって長年の悲願が達成され、障がいのある児童生徒と保護者の熱意が実を結んだものであり、地元議員として感慨深いものがあります。心から感謝を申し上げる次第であります。
そこで、1点目として、今後の進め方についてお聞きいたしますが、平成25年度からの千歳市における特別支援学校高等部の設置は決まりましたが、今後、充実した教育環境を整備していくために取り組むべきことが多くあると考えます。
開校に向け、校舎の整備、将来の就労を見据えた学科の設置など、さまざまな課題解決に向けてどのように検討していくのか、また、タイムスケジュールについてお伺いをいたします。
次に、高等学校における発達障がい支援連携モデル事業についてお伺いをいたします。
千歳市において2度にわたり実施された、公立特別支援学校の配置計画案に係る説明会では、高校に特別支援学級を設置し、地域の学校に通うための対策をしてほしいなど、高校における特別支援教育の充実を望む声もありました。
国では、平成19年度から、小中学校への特別支援教育支援員の配置を可能とするため、地財措置を行ってきているところでありますが、今年度から、新たに、高校への配置に係る地財措置が行われることとなりました。
このような国の動向を踏まえ、道教委は、今年度から、道内の4地域の高校に特別支援教育支援員をモデル的に配置し、特別支援学校と連携して、高校に在籍する発達障がいのある生徒に対する支援のあり方などについての調査研究事業に取り組むと承知しております。
私としては、高校における特別支援教育の充実という観点から、この事業の推移に注目していきたいと考えております。
モデル校としての実施期間は3年間でありますが、道教委として、この事業の充実のため、今後どのように取り組んでいくのか、お考えをお伺いいたします。
3点目として、保護者からの意見、要望への対応についてお伺いいたします。
説明会においては、学校の設置場所や設置方法、設置する学科についての意見のほかにも、保護者などから、特別支援教育に関するさまざまな意見や要望がありました。貴重な御意見等については、今後、特別支援教育の充実に生かしていくべきと考えますが、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
これをもちまして、私の一般質問を終わります。
○高橋はるみ知事
梅尾議員の御質問にお答えをいたします。
最初に、東日本大震災を踏まえた防災体制の強化や自衛隊との連携に関し、まず、自衛隊駐屯地の体制整備についてでありますが、今回の東日本大震災では、ライフラインや交通網が寸断されたことにより、地域住民の生活基盤が大きな被害を受け、被災地にある駐屯地においても給食機能が不十分になるなど、被災された方々はもとより、災害救助の第一線で活動された自衛隊員においても、大変な御苦労があったものと理解をいたしております。
道内において、今後、大規模な災害が発生した場合には、災害救助や被災地への物資搬入、応急復旧作業など、自衛隊の果たす役割は極めて重要でありますことから、道といたしましては、道内のすべての市町村で構成される北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会と連携をしつつ、災害などの緊急時における自衛隊の活動体制が十分に確保されるよう、国に働きかけをしてまいる考えであります。
次に、自衛隊との連携などについてでありますが、今回の東日本大震災においては、改めて、自衛隊の活動の重要性に対し認識を深めたところであり、自衛隊との連携強化についても、これまで以上に進めていく必要があると考えているところであります。
道といたしましては、今後、東日本大震災で明らかになった被害情報等の収集、伝達のあり方や、救援活動に関する役割分担などの課題を整理し、自衛隊と道や市町村との災害対応の連携がしっかりと機能するよう、自衛隊との協定について検討するとともに、道から派遣された職員が被災地で得た貴重な経験などについても、あわせて、地域防災計画への反映を検討してまいります。
なお、船舶業者との協定などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
次に、自衛隊の体制維持、拡充についてでありますが、北海道に配置されている自衛隊は、国防はもとより、災害発生時の救援活動や地域行事への協力を通じ、道民の安全と安心の確保や地域づくりの一翼を担うなど、大変大きな役割を果たしていただいているものと認識いたしております。
道においては、これまでも、道内における自衛隊の現状を踏まえ、北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会と連携し、中央要望など、積極的に道内自衛隊の体制維持や拡充について求めてきているところであり、本年7月にも、同協議会と合同で、自衛隊員の増員などについて、その必要性を国に対し説明し、要望してまいったところであります。
私といたしましては、市町村や経済界、関係団体の皆様方と協力し、あらゆる機会を通じて、自衛隊の体制維持や拡充について、積極的に国に要望を続けてまいる考えであります。
次に、空港運営のあり方に関し、まず、新千歳空港における環境対策についてでありますが、国においては、空港運営の民間事業者への委託に関し、その委託に環境対策を含めるのか、また、委託する場合、具体的な内容をどのようにするのかなどについては、国が、来年夏ごろまでをめどに策定することとされている空港経営改革の実行方針や、その後のプロセスの中で検討が進められるものと理解をいたしております。
こうした空港経営改革に向けた取り組みは、これまで、新千歳空港において、国や道が行ってきた環境対策や、道が進めている深夜、早朝の発着枠拡大に向けた取り組みへも影響するものと考えられますことから、関係自治体などと連携をしながら、必要な環境対策が今後とも円滑に行われるよう、国の実行方針の策定などに向けて、道としての考えを提案してまいる考えであります。
最後に、地方の負担についてでありますが、私といたしましては、空港収支が黒字である空港を含む、一部の空港についてのみ見直しが進められた場合、その他の空港の機能が低下する懸念があることについて、本検討会において、繰り返し主張してまいったところであり、検討会の報告書においても、収支が赤字の空港についても、同様に、民間への運営委託を進めるとの考え方が示されたものと理解いたしております。
今後、国においては、空港経営改革の実行方針の策定や、空港経営に関する意見の公募などを行うこととされているため、私といたしましては、こうした国の動きを踏まえながら、地方に新たな負担が求められることがないように、しっかりと対応していかなければならないと考えております。
なお、コンセッションの範囲などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
以上でございます。
○寺山朗危機管理監
東日本大震災を踏まえた防災体制の強化や自衛隊との連携に関し、船舶業者との協定についてでございますが、道では、これまで、道内での災害対応を念頭に、民間企業等と連携協力して災害応急対策に取り組んでおり、流通・小売業者や医療関係団体など、道内40の民間企業や団体との間で、物資の供給や輸送、施設の活用など、災害時の協力体制に関する協定を締結してきたところでございます。
道といたしましては、このたびの東日本大震災は、物資の大量かつ広域的な輸送が必要となった災害であり、他県との間で物資の輸送が必要となった場合には、船舶を活用することも有効な手段であることから、今後、船舶業者との協定締結に向け、検討を進めてまいる考えでございます。
以上でございます。
○竹林孝総合政策部地域振興監
東日本大震災を踏まえた防災体制の強化などに関し、派遣職員の経験などについてでありますが、道においては、震災発生直後から、医療や避難所運営などに当たる職員を初め、被災地の復旧・復興支援のために、これまで約3700名の職員を派遣してきたところでございます。
派遣先から戻った職員からは、現地での活動状況を初め、問題点や課題、今後の取り組みに向けた提案など、現場ならではの貴重な経験について報告を受けているところでございます。
これらの情報については、道外被災県緊急支援対策本部において、災害時の健康相談や避難所運営を初め、今後の復旧・復興支援に活用されるよう、業務ごとに整理しているところであり、今月末には避難所運営支援が終了することも踏まえ、早急に取りまとめを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○武田準一郎建設部長
東日本大震災を踏まえた防災体制の強化や自衛隊との連携に関し、苫小牧港の防災対策についてでございますが、苫小牧港は、東日本大震災においても、被災地への緊急物資や自衛隊の支援車両、機材などの輸送拠点として、大きな役割を果たしたものと認識しております。
このようなことから、災害時においても港湾機能が発揮されるよう、苫小牧港管理組合においては、本年度から、地震対策として、内貿貨物を対象とした耐震強化岸壁の整備に着手するなど、施設の整備に努めているところでございます。
道といたしましては、引き続き、管理組合や国などと連携を図りながら、災害に強い港づくりに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
次に、空港運営のあり方に関し、初めに、コンセッションの範囲についてでございますが、本年7月に取りまとめられた検討会の報告書において、コンセッション方式については、土地などの所有権は引き続き国に残し、航空系事業と非航空系事業を一体的に運営する権利を民間に付与するものとされているところでございます。
このため、コンセッションの範囲には、滑走路やエプロンなどの空港基本施設や空港ターミナルビルなどが含まれるものと考えているところでございます。
次に、空港整備の実施主体などについてでございますが、検討会の報告書において、日常的なメンテナンスについては民間事業者が実施することとされておりますが、大規模災害への対応などに関して、民間で対応できない部分につきましては、原則として国側で責任を引き受けるなど、検討を深める必要があるとされているところでございます。
また、それ以外の大規模投資につきましては、すべて、国または民間という二者択一の考え方ではなく、内容に応じて、適切に責任を分担していくことが必要であり、運営委託などの実行前に、一定のルール化を図ることとされているところでございます。
以上でございます。
○高橋教一教育長
梅尾議員の御質問にお答えいたします。
初めに、道央圏におきます特別支援学校の整備についてでございますが、平成25年度の開校に向けた、千歳市内の中学校の空き校舎の活用に当たりましては、知的障がいのある生徒にとって安全で良好な学習環境となりますよう、平成24年度中にバリアフリー化や特別教室の整備などの改修を行う必要がありまして、施設の所有者である千歳市とも十分協議をしながら、準備を進めてまいりたいと考えております。
また、新設校には、より多くの生徒の就労に結びつく学科を設置したいと考えておりまして、他の特別支援学校での進路動向や配置計画案の説明会で、保護者の方々などからいただいた御意見、地域の産業動向などを十分踏まえますとともに、関係市町村はもとより、ハローワークなど関係機関の御意見も伺いながら検討を進め、来年度策定する配置計画においてお示しをしてまいりたいと考えております。
次に、高等学校における発達障がい支援連携モデル事業についてでございますが、この事業では、高等学校に特別支援教育支援員をモデル的に配置し、発達障がいのある生徒への学校生活や学習上の支援を行いますとともに、特別支援学校の児童生徒との交流や共同学習、特別支援学校の教員との合同研修や相互の授業補助などに取り組むこととしているところでございます。
道教委では、今後、4地域の高等学校と特別支援学校による連絡会議の開催や、教育局のスーパーバイザーによります学校訪問などを通じまして、事業の推進状況を把握し、必要な支援を行うことによりまして、実効ある取り組みとしてまいりたいと考えております。
最後に、保護者からの御意見などへの対応についてでございますが、配置計画案の説明会におきましては、希望する高等部へ入学できる選考のあり方や、義務部に併置されております高等部の一層の整備など、既存校も含めた、幅広い御意見や御要望をいただいたところでございます。
こうした御意見等は、高等部などの充実に対します保護者の方々や関係者の方々の大きな期待のあらわれであるというふうに受けとめているところでございます。
道教委といたしましては、今回いただいた御意見や御要望はもとより、今後とも、福祉などの関係機関や市町村と連携を図りながら、広く保護者や障がい者関係団体の方々などから御意見等を伺い、保護者や関係者の方々のニーズを踏まえながら、本道の特別支援教育の充実に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。