令和4年第5回新幹線・総合交通体系対策特別委員会(令和4年4月6日) 北海道エアポートの2022年度事業計画について

2022.11.14


令和4年4月6日(水曜日)新幹線・総合交通体系対策特別委員会
 
1. 北海道エアポートの2022年度事業計画について
 
(航空港湾局長) 北海道エアポートの2022年度事業計画につきまして、お手元の資料4-1により御報告いたします。
まず、「1 趣旨」についてでございますが、北海道エアポート株式会社、HAPは、道内7空港の一体運営に当たり、令和4年3月29日付で、実施契約に基づく2022年度事業計画を公表したものでございます。
次に、「3 計画の内容」についてでございますが、HAPは、「(1)取組方針」といたしまして、一つ目に、「安定した事業体制を構築するための取組を加速させ、安全・安心かつ効率的な空港運営を推進。」すること、二つ目に、「新型コロナウイルスの感染拡大防止に継続して取り組むとともに、with・afterコロナにおける新しい航空・観光需要の掘り起こしを行いながら、早期の需要回復に努める。」こと、三つ目に、「需要回復に備えた成長基盤確立のための投資計画の着実な遂行に加え、将来的に選ばれる空港を目指し、空港施設の利便性・安全性向上に取り組む。」ことを掲げております。
次に、「(2)業績見通しの考え方」につきましては、「新型コロナウイルスの感染拡大のため、旅客需要の見通しが不透明であることから、今次策定の目標値(ケース①)に加え、需要の下振れを織り込んだケース②も策定。」しております。
「なお、ケース②の場合におきましても、国や株主による支援等により、事業運営に必要な資金は確保される見込み。」としてございます。
2ページ目を御覧ください。「(3)目標達成に向けた主な取組」といたしまして、一つ目に、「安定した事業実施体制の確立、安全・安心かつ効果的・効率的な空港運営の推進」を掲げております。
具体的には、「空港運営事業とビル施設事業等の一体的な経営・運営体制を踏まえ、新技術の活用及びバンドリング効果による収益力の向上や効率的な運営の検討」「リスクマネジメント体制の強化やサイバーセキュリティ対策の実施等、7空港一体運用による安全・保安の維持・向上」「空港別協議会等の運営を通じた地域一体での空港運営体制の構築」「航空需要の喚起に向けた地元自治体等と一丸となった連携施策の実施」などを予定しております。
二つ目に、「航空・観光需要の回復に向けた取組」を掲げております。
具体的には、「運休路線の復便や新規就航等の就航機会を逃さない受入環境の整備」「with・afterコロナを見据え、早期の需要回復が期待できる就航エリアを中心とした誘客プロモーションの実施」などを予定しております。
三つ目に、「空港施設の利便性・安全性向上に向けた施策の推進」を掲げております。
具体的には、「安全・安心な空港運営に資する誘導路、航空灯火等の更新」「ハイドラント(埋設管給油方式)設備拡張工事」「駐車場拡張設計及び工事」「国内線施設改修に係る設計」などを予定しております。
最後に、「(4)投資計画」につきましては、誘導路、航空灯火や旅客ビル施設に関する更新などの機能維持投資が89.9億円、国際線ハイドラント整備、駐車場整備、国内線施設改修設計などの活性化投資が22.4億円、合計で112.3億円を予定しております。報告は以上でございます。
 
(梅尾議員) ただいま北海道エアポートの2022年度事業計画に関し、業績の見通し等について説明がありましたが、確認も含めて何点かお伺いします。
北海道エアポートでは、今年度の事業計画において、旅客目標を2255万人とすることに加え、旅客需要の下振れを織り込んだケースも策定していますが、それぞれのケースの具体的な考え方についてお伺いします。
 
(航空課空港戦略担当課長)  業績見通しの考え方についてでございますが、北海道エアポートでは、世界の航空会社で構成されます国際航空運送協会の旅客需要見通しや各航空会社が公表した見通し、直近の旅客実績を基に、新型コロナウイルス感染症の影響がなかった2019年との比較で、国内線は85%、国際線は11%まで回復するとの目標を立てております。
一方、新型コロナウイルス感染症につきまして、日本のみならず、世界各国におきましても終息の兆しが見えず、旅客需要の見通しが不透明な状況にありますことから、2019年比で、国内線は50%、国際線は0%と昨年度並みの旅客数が継続する場合も想定したものと承知しております。
 
(梅尾議員) 今、答弁をいただきました二つの想定を前提にした場合、事業計画上の営業損益を見ると、目標どおりで170億円の赤字、下振れ想定では258億円の赤字と、いずれのパターンでも3期連続で巨額の赤字という大変厳しい内容となっています。
報道には、下振れの場合でも、劣後ローンによる資金調達を実施するため、事業運営には支障がないとの蒲生社長のコメントが報じられておりましたけれども、この点について、道の見解を伺うとともに、どのように対応していくのか伺います。
 
(航空港湾局長)  今後の資金繰り等についてでございますが、北海道エアポートにおいては、今年度、国から空港施設の整備費用に対する無利子貸付けとして58億円のほか、運営権対価分割金の支払い猶予による26億円を合わせた総額84億円の支援を受ける予定でございます。
また、旅客需要が下振れした場合の備えとして、株主である金融機関による90億円の劣後融資枠が設定されたものと承知しており、道といたしましては、こうした国、株主からの支援や経費節減など北海道エアポートによる自助努力により、現時点におきましては、今後の事業継続のための資金繰りに一定のめどが立っているものと考えてございます。
北海道エアポートは、今年度の事業計画において、航空需要の喚起に向けた、地元自治体などと一丸となった連携施策の実施を初めて明記するなど、自治体とともに、各般の施策を展開していく旨、表明しているところでありまして、道といたしましても、地元自治体など多様な主体と緊密に連携しながら、同社とともに、航空需要の回復に取り組んでまいります。
 
(梅尾議員)  コロナ禍で先行きが見通せない状況が続いておりますが、北海道エアポートは、本道の航空ネットワークの充実強化や広域観光の担い手として期待されているわけでございまして、こういうときこそ、北海道エアポートと連携しながら、航空需要の回復に向けた取組を切れ目なく実施する必要があると思います。
今回の北海道の予算においても、誘客に向けた自治体との連携の予算が組まれておりまして、そういった誘客に向けての効果をしっかりと各自治体と北海道エアポートを含め、連携を密にしていただいて、地域や経済界と緊密な連携をしながら、オール北海道で北海道エアポートを支えていただくよう、心からお願い申し上げ、質問を終わります。