令和3年第5回総合政策員会(令和3年4月6日)1.北海道総合計画の見直し等について  2.新型コロナウイルス感染症への対応について

2022.11.14

1.北海道総合計画の見直し等について
2.新型コロナウイルス感染症への対応について
 
 
1.北海道総合計画の見直し等について
(梅尾議員) 北海道総合計画の見直しについてでありますが、道は、今年度中に北海道総合計画の見直しを進めることとしておりますが、総合計画の分野別計画と位置づけられている地球温暖化対策推進計画や省エネ新エネ促進行動計画が先行しておりまして、さきの定例会では、これらの計画における原子力発電の位置づけなどについて議論をしてまいりました。
非常に大きな電源であり国でもグリーン成長戦略の中で確立した脱炭素技術であるとしている原子力発電の位置づけがこれらの計画の中に明確にされておらず、そのことがこうした個別計画に関する議論が深まらなかった要因であると考えているところであります。
道が示した総合計画見直しの方向性の中でも、カーボンニュートラルの実現といった世界的な課題への先導的な取組の推進を社会の変革に挑戦する施策推進の方向性として位置づけていることを踏まえれば、道の総合計画の中で、原子力発電をどのように位置づけ、カーボンニュートラルの実現に向けて施策を進めるのか、道としての基本的な考え方を示す必要があると考えますが、部長の見解を伺いたいと思います。
 
(総合政策部長) 総合計画についてでございますが、道では、このたびの感染症による社会経済情勢の大きな変化やカーボンニュートラルなど社会変革の動きに的確に対応していくため、現在、総合計画の見直しを進めているところでございます。
現行の総合計画におきましては、太陽光や風力、地熱といいました多様な新エネルギーを活用した自立、分散型エネルギーの導入の推進などを掲げており、計画の見直しに当たりましては、こうしたエネルギー政策の方向性のほか、条例におきまして、原子力は過渡的エネルギーとして位置づけられていることなども踏まえながら検討する必要があるものと考えているところでございます。
いずれにいたしましても、温室効果ガスの削減を進める上では、エネルギーの脱炭素化が必要であり、道といたしましては、地球温暖化対策推進計画に基づきまして、本道に豊富に賦存する再生可能エネルギーを最大限に活用して、環境と経済、社会が調和しながら成長を続けるゼロカーボン北海道の実現に向けて鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
 
(梅尾議員) 次に、デジタル化の推進についてでありますが、デジタル化の推進も長期計画はもとより、新年度の政策展開に当たっての重点的な政策テーマと位置づけられております。しかし、デジタル化は、総合政策部ばかりではなく道の組織運営や内部統制、さらにはスマート道庁の推進といった道政運営の根幹に深く関わる部局との緊密な連携が欠かせないわけであります。
このたびの機構改革で北海道Society5.0の着実な実行などのため、次世代社会戦略監を新たに設けましたが、ただいま申し上げたように、全庁的な調整機能を担い道庁全体が一体となってデジタル化の推進に取り組む役割、全庁横断的な知事のガバナンスを支える役割を担うのは、総合政策部長の責務であると考えます。
部長は、どのようにしてこのような知事のガバナンスを支える職責を全うし、道政に貢献していく考えなのか、お伺いしたいと思います。
 
(総合政策部長) デジタル化の推進についてでございますが、人口減少や高齢化など様々な課題を抱える本道におきましては、道民の皆様の暮らしの質の向上とともに地域や産業の活性化を図るためには、北海道Society5.0の実現に向け、あらゆる分野におけるデジタル化を加速することが重要であり、今般、新たに次世代社会戦略監を設置いたしまして、地域課題の解決や産業競争力の強化につながるIoTの実装促進はもとより、庁内における情報システム予算の一元管理やデジタル人材の育成、確保など、デジタル化の取組を全庁挙げて推進する体制を整備したところでございます。
北海道総合計画におきましても、北海道Society5.0推進計画を重点戦略計画の一つに位置づけ、実効性の確保に努めていくこととしているところでありまして、私といたしましては、道政の重要な柱となるデジタル化の推進に向けて、次世代社会戦略監がその役割を十分に発揮できるよう、全庁横断的な課題について、総合的な調整に努めてまいりたいと考えております。
 
(梅尾議員) ぜひ、部長はもとよりでありますけれども、監の立場というのは重要な立場に置かれるわけでありまして、横断的な調整をする、私案ではありますけれども、将来は、もう少し権限を監に移譲するようなことも含めて、独自の調整能力というものを持つべき職責ではないかと考えておりますので、その点、指摘をしておきたいと思います。
次に、道の総合計画はもとよりでありますが、知事の日常的な情報発信も中長期的な視点に立ったぶれない指針として行われるものと考えております。最近、新型コロナウイルス感染症対策に関する情報発信などを見ておりますと、その時々の状況等に応じ総合的に判断するといったケースが目立っております。これでは、高い視点から先を見通し道民の皆さんに方向性を示す知事の役割を全うすることは、私はできないと考えておりまして、知事の情報発信を支える立場にある総合政策部長は、最近の情報発信の状況をどのように捉えておられるのか、今後どのようにサポートしていくお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
 
(総合政策部長) 知事の情報発信についてでございますが、道政上の重要課題に的確に対応していくためには、道民の皆様と、正確な情報を共有し、御理解、御協力をいただくことが重要であると考えてございます。
長期にわたる新型コロナウイルスの感染により、道民生活への様々な影響が生じている中、道では、感染防止対策をはじめとする道政の重要課題に関して、知事自らが記者会見等を通じて、情報発信に努めてきたところでございます。
道行政の企画、調整機能を担う総合政策部といたしましては、各部との緊密な連携の下で、道政の現状や今後の展望などを、道民の皆様により一層御理解いただけるよう、正確かつ分かりやすい情報発信に取り組んでまいりたいと考えております。
 
 
2.新型コロナウィルス感染症への対応について
(梅尾議員) この情報発信能力は、本当に大事なものでありますので、知事におかれても、部長が支えながら、今おっしゃるとおり正確かつ分かりやすい情報発信に努めていただきたいと思います。
次に、新型コロナウイルス感染症への対応についてであります。道は、感染状況が一定程度落ち着きを見せてきたことを踏まえ、3月5日の本部員会議で、11月から続いていた集中対策期間を8日以降延長しない方針を決定しましたが、その後、感染者数が順調に減少しているとは言えず、最近は、変異株による感染も増えてきていると承知しております。
道外では、感染が急速に拡大する地域が増えており、政府は、先週の新型コロナウイルス感染症対策本部で、大阪、兵庫、宮城の3府県に改正特措法に基づくまん延防止等重点措置を適用する事態となっているわけであります。道では、現在の道内における感染状況をどのように認識しているのか伺います。
 
(政策局参事) 本道の感染状況等についてでございますが、3月7日までの集中対策期間の終了後、全道の新規感染者数は、増減しながらもおおむね横ばいで推移しておりますが、札幌市内におきましては、感染しやすい可能性があるとされる変異株による感染が増加し、全道の感染者数を押し上げるなど、予断を許さない状況が続いております。また、札幌市内におきましては、高齢者の感染者が多いことから、入院患者数が増加し、市内の医療提供体制への負荷が増している状況でございます。
全国的には、感染が拡大している地域が増加しておりまして、人の移動の活発化や会食機会の増加など感染リスクの高まる時期を迎える中、道といたしましては、変異株による感染確認の増加にも十分警戒しながら、道内の感染が拡大しないよう、対応を進めていくことが重要と考えております。
 
(梅尾議員) 今の現状を踏まえ、まん延防止等重点措置の適用について、考えなければならないと思うわけであります。道は、3月5日の本部員会議で、集中対策期間の終了と併せて、まん延防止等重点措置の検討に関する考え方を示しております。全道の新規感染者数が道の警戒ステージ4の目安を上回るおそれがあるときに国への要請を検討しているとしております。
具体的には、1週間の新規感染者数が人口10万人当たり15人を超えることを判断の目安にするということになります。先週、道が明らかにした資料では、札幌市が既にこの基準を上回っていますが、道は、まん延防止等重点措置の国への要請を検討する考えがないのか、伺います。
 
(政策局次長) まん延防止等重点措置についてでありますが、道では、特措法の趣旨を踏まえまして、特定の地域の感染拡大の影響により、全道に感染が拡大するおそれがある場合などには、まん延防止等重点措置の国への要請を検討することとしております。
道といたしましては、まずは、こうした事態に至ることのないよう、特定の地域で感染の拡大が見られる場合には、他地域に波及する可能性などを勘案し、当該地域を対象とした強い措置を講ずることが重要と考えておりまして、こうした考え方の下、3月26日に感染の増加傾向が続いていた札幌市内において、不要不急の外出、往来自粛の要請を行ったところでございます。
現在、全道の新規感染者数は横ばいで推移しておりまして、現時点においては、全道に感染が拡大し、まん延防止等重点措置の国への要請を検討しなければならない事態には至っておりませんが、引き続き、札幌市と連携して、感染防止行動の徹底の働きかけなど必要な対策に取り組み、札幌市におけるこれ以上の感染拡大を抑制し、全道への拡大につながらないよう努めてまいります。
 
(梅尾議員) 札幌市の感染状況が全道に影響することを懸念し、全道への拡大につながらないように努めるとのことでありますが、そうであれば札幌市にまん延防止等重点措置が適用になる判断の目安をどう考えているのかが重要であると考えております。
札幌市における1週間の新規感染者数を人口10万人当たりで示すとすればどのような数値となるのかを含め、お伺いします。
 
(政策局次長) 札幌市における感染状況についてでありますが、特措法におきましては、特定の区域において感染が拡大し、当該都道府県全体に感染が拡大するおそれがある場合などに講ずることとされておりまして、道といたしましては、こうした特措法の趣旨を踏まえ、札幌市内における感染拡大の影響により、全道の新規感染者が10万人当たり15人を超えるおそれがあり、医療の提供に支障が生じるおそれがあると認められる場合に、国への要請を検討することとしております。
このため、札幌市内における具体的な数値の目安を示すことは困難ではありますが、札幌市の感染がこれ以上拡大し、全道への感染につながるような事態にならないよう、札幌市と連携して、外出、往来自粛をはじめとする、感染防止行動の徹底を働きかけていくことはもとより、国におけるモニタリング検査の活用など感染拡大の予兆の探知にも積極的に取り組みますとともに、変異株に係るスクリーニング検査体制の強化など変異株の蔓延防止にも万全を期してまいります。
 
(梅尾議員) 私はここで、もし札幌市から要請があったらどうするのかなといったことが、ふとよぎったのですが、先日の秋元市長の記者会見で、週の合計が増加して10万人当たり25人に近づくという、明確な25人という数字を出されて記者会見をされておりました。
そのような事態になったときに、特措法に基づくまん延防止等重点措置も含めて、時短等のより強い措置を検討するよう、北海道に要請しなければならなくなると考えているとの記者会見をお聞きしたことを思い出しまして、今の道の答弁であれば、秋元市長から、もし札幌市がこういった状況になったとき、要請を受けたときに北海道はどのように答えていくのかということがよぎったのですが、その点はいかがでしょうか。
 
(政策局次長) まん延防止等重点措置についてでありますが、札幌市長としましては、市内の感染者が10万人当たり25人を超えるような事態になれば、まん延防止等重点措置を含めて、時短等のより強い措置を道に要請せざるを得ないという考え方を発言されたものと承知しておりますけれども、道といたしましては、まずは札幌市と連携して、市内の感染拡大防止に全力を尽くすとともに、特措法の趣旨を踏まえまして、札幌市の感染拡大の影響により、全道に感染が拡大するおそれがある場合などには、まん延防止等重点措置の国への要請を検討するなど、適時適切に対応してまいります。
 
(梅尾委員) 全道的に見れば、国にまん延防止等重点措置を要請しなければならないような事態には至っていないという考え方でありますが、その判断はあくまでこの広大な北海道全体の10万人当たりの感染者を見てのことでありまして、国の基準を機械的に当てはめるとそのような判断になるのは理解いたしますが、今お話したように、札幌市のような人口集積地に注目した場合に、全く違った感染状況も十分起こり得るわけであります。
現在の制度的な立てつけが、広大な北海道の実情に即したものとなっていないのであれば、重点措置等の実施が後手に回り、感染拡大を防ぎ切れないといった事態も、私は招きかねないと懸念するところでありまして、知事の先日の記者会見では、このたびのまん延防止等重点措置の適用に当たり、1週間の新規感染者数が10万人当たり15人を超えていても、適用とならなかった県もあるということでありまして、この措置の運用基準にはっきりしないところがあるわけでございます。
今後、国に確認する旨の発言をされておられましたけれども、その際には北海道のような、先ほどお話ししたように、広大な地域の実情に即した運用が可能となるよう、併せて国に要請すべきだと考えますので、この点を指摘しておきたいと思います。
そして、今後の対応についてでありますが、専門家の間では、感染力の強い変異株が急速に広まりつつあり、既に感染の第4波に差しかかりつつあるとの意見も聞かれます。変異株の感染力の強さや重症率の高さなどを踏まえると、道は、全道の感染状況もさることながら一部地域における感染拡大の状況にも十分に留意し、時期を失することなく適切に対応する必要があると考えるわけであります。感染拡大の防止に今後どのように取り組む考えなのか、部長の考えを伺います。
 
(総合政策部長) 今後の対応についてでありますが、現在の感染状況は、感染の再拡大も懸念され、決して予断を許される状況にはなく、全国的にも急速な感染拡大に見舞われる地域が増加する中、年度初めに伴う人の移動の活発化も予想されますことから、今後本格化するワクチン接種に向けた環境を整えていくためにも、変異株による急速な感染拡大にも十分警戒しながら、感染防止対策の一層の強化を行う必要があるところでございます。
このため、道といたしましては、隠れた感染源を早期に見つける積極的疫学調査の実施や変異株に対する監視体制の強化など、感染の再拡大の予兆を探知する取組を積極的に進めることとしております。
道といたしましては、感染症への対応の長期化も見据え、今後、検査体制整備計画や病床宿泊療養施設確保計画の見直しも含め、一般医療等とのバランスも考慮した相談診療検査体制の整備や病床の確保に努めることはもとより、身近な地域で安心してワクチン接種が受けられる体制が整備されるよう支援に取り組みながら、国に対し、安定供給について要望するほか、地域における感染状況について、日々、注意深くモニタリングを行いながら、市町村や関係団体等とも連携を図り、道民の命と暮らしを守ることを最優先に、適切な対応に努めてまいりたいと考えてございます。