平成30年2月20日(火)新幹線・総合交通体系対策特別委員会

2022.02.03


平成30年2月20日(火)新幹線・総合交通体系対策特別委員会
 
1.道内空港の運営の民間委託に係る取り組みについて
 
(委員長)
次に、道内空港の運営の民間委託に係る取り組みに関する報告聴取の件に関し、理事者から報告を求めることとし、髙野空港運営戦略推進室長を指名。
 
(空港運営戦略推進室長)
空港運営の民間委託に関し、道内7空港の一括運営委託に関する基本的事項につきまして、先般、4管理者間で確認合意をいたしましたので、お手元の資料5-1及び5-2により、報告いたします。
初めに、資料5-1をごらんください。
2番目にあります経過についてでございますが、昨年7月31日の基本スキーム案の公表とともに実施した民間投資意向調査、いわゆるマーケットサウンディングでの事業者意見などを踏まえ、4管理者間におきまして協議を行うなど、制度設計に取り組んでいるところでございますが、今月13日に、4管理者のトップである石井国土交通大臣、高橋知事、西川旭川市長、米沢帯広市長の間でテレビ会議を開催し、本事業の概要を定める実施方針の基本的事項などについて、確認合意を行いました。
その内容についてでございますが、資料5-2をごらんください。
まず、1番目にございます、北海道内7空港特定運営事業等の実施方針に関する基本的事項についてでございますが、実施期間につきましては、運営開始から30年間とし、不可抗力等による延長を含め最長35年間といたしました。
空港運営事業の開始時期につきましては、平成32年6月ころに新千歳空港、平成32年10月ころに旭川空港、平成33年3月ころに函館空港、釧路空港、稚内空港、帯広空港、女満別空港とし、平成32年度内に段階的に開始することといたしました。
審査方式につきましては、国が設置する審査委員会におきまして、7空港の提案内容を一体的に審査、評価を行いまして、優先交渉権者を選定することとしており、道を初め地方管理空港の管理者は、審査、評価を国設置の審査委員会に委嘱することとしております。
事業方式につきましては、地方管理3空港におきましては、混合型の制度設計とし、管理者ごとに設定する公的最大負担額に対して入札参加事業者から、削減額の提案を受けることとしております。
提案事業につきましては、「北海道の広域観光の振興」及び「道内航空ネットワークの充実」につきまして、入札参加事業者から提案を受けることとしております。
次に、2の今後のスケジュールの予定についてでございますが、本年3月ころに実施方針の策定公表を行い、新年度に入りまして、4月ころの募集要項の策定公表により運営権者の公募を開始し、平成31年7月ころの優先交渉権者の選定後、業務の引き継ぎを経て、平成32年6月ころから順次、空港運営事業を開始していく予定でございます。
資料5-1に戻っていただき、資料下段にございます4番目、今後の対応についてでございますが、このたびの4管理者間の合意を踏まえ、本年3月ころの実施方針の策定公表に向けた具体的な制度設計に取り組むとともに、平成32年度内の運営開始を目指す今後のスケジュールを着実に進めてまいる考えであります。
 
(委員長)
本件に関し質疑等を求めたところ、梅尾委員から発言を求められ、同委員を指名。
 
(梅尾委員)
ただいま、道内7空港の一括民間委託に関する実施方針の基本的事項について、4管理者である国、道、旭川市、帯広市のトップが確認合意に至った経緯も含めて、今、御報告をいただきました。
このことについて、何点かお伺いしてまいりたいと思います。
まず、道は、「北海道発の提案」を取りまとめ、国に提出するなど、今般の一括民間委託において、地元の意向を十分に配慮するよう求めてきたことについては、これまでの委員会での報告などで承知しておりますけれども、このたび、4管理者トップによるテレビ会議で確認合意された実施方針の基本的な事項に、これまでの地元の意向がどのように反映されているのか、お考えをお聞きかせいただきたいと思います。
 
(空港運営戦略推進室長)
基本的事項に対する地元意向の反映についてでございますが、実施方針につきましては、4管理者が昨年実施したマーケットサウンディングにおける事業者意見を踏まえ、関係自治体と協議しながら、制度設計に取り組んできたところでございます。
このたび合意した基本的事項では、優先交渉権者の選定におきまして、4管理者で一体的に審査、評価を行う方式としたところ、また、北海道の広域観光の振興と道内航空ネットワークの充実について、入札参加事業者から提案を受けることなど、「北海道発の提案」における地元の意向に沿ったものと考えているところでございます。
 
(梅尾委員)
次に、道内7空港の一括民間委託の事業期間について、30年とする方向で確認合意されましたけれども、この30年とする方向で決まったのは、どのような考え方でこのような期間設定が行われたのか、お聞かせいただきたいと思います。
 
(空港運営戦略推進室参事)
民間委託の事業期間についてでございますが、民活空港運営法の基本指針では、公共施設等運営権の存続期間は、30年から50年程度を目安とし、地域の実情を踏まえ、また、運営権者の創意工夫を発揮する観点から、具体的な期間を定めることとされているところでございます。
そのため、昨年7月に公表した基本スキーム案では、先行する仙台空港や福岡空港を参考に事業期間を30年としてマーケットサウンディングを行いましたが、多くの事業者から肯定的な評価が得られたことを踏まえ、事業期間を30年としたところでございます。
 
(梅尾委員)
次に、7空港の運営開始時期については、新千歳空港が平成32年6月ころ、旭川空港が同年10月ころ、その他の5空港が翌年3月ころと時間差を設けた段階的開始とすることが確認合意されましたけれども、どのような理由から、こうした3グループに分けて段階的な運営開始を行うこととしたのか、お聞かせいただきたいと思います。
 
(空港運営戦略推進室参事
7空港の民間事業者による運営の開始時期についてでございますが、このたびの道内空港の民間委託は、管理者が異なる七つの空港を一括して委託するという前例のない取り組みであり、マーケットサウンディングにおいて準備や引き継ぎに時間を要することなどから、大規模空港から段階的に開始したいとの意見が多かったことを踏まえ、7空港の運営を段階的に開始することとしたところでございます。
具体的には、夏の繁忙期及び冬の降雪期のピークを避けつつ、十分な引き継ぎ期間を確保する観点から、32年6月ころより順次、国管理空港、地方管理空港それぞれの乗降客数が最も多い空港から段階的に運営を開始し、32年度内に全ての空港で民間事業者による運営が実施されるスケジュールとしたものでございます。
 
(梅尾委員)
次に、審査方法についてでありますが、道、旭川市、帯広市の地方3管理者は、運営権者の選定プロセスにおいて、国が設置する審査委員会に審査、評価を委託するとのことでありますけれども、こうしたやり方で運営権者の選定に道を初めとする地元意向を反映することができるのか、非常に不安なところもありますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 
(空港運営戦略推進室次長)
運営権者選定の審査方式についてでございますが、今般の道内空港の民間委託は、4管理者が同一の民間事業者に委託することにより、対象となる7空港の一体的運営を実現し、北海道の広域観光の振興や道内航空ネットワークの充実強化を図ろうとするものでございます。
そのため、このたびの選定プロセスにおきまして、4管理者共通の審査委員会で事業者の提案内容の審査、評価を実施することにより、審査の効率性を確保しますとともに、その審査結果をもって、各管理者が同一の事業者を優先交渉権者に決定する審査方式としたところでございます。
道といたしましては、審査委員会の委員の選定のほか、審査項目や選定基準の設定などにおきまして、地域の意向が反映される仕組みとする必要があると考えており、先行例も参考にして、国や空港管理者を初めとした関係自治体とも十分協議し、審査の仕組みを構築してまいる考えでございます。
 
(梅尾委員)
次に、事業方式に関しては、地方管理3空港については混合型とし、公的最大負担額の削減額について、それぞれ提案を受けるとのことでありますけれども、これはどのような内容か。また、新千歳を含む国管理4空港は改めてどのような事業方式となるのかもあわせて、お聞かせいただきたいと思います。
 
(空港運営戦略推進室参事)
地方管理空港、国管理空港それぞれの事業方式についてでございますが、4管理者が共通して委託したアドバイザーによる収支シミュレーションでは、女満別、旭川、帯広の地方管理3空港は、民間委託後も委託期間を通じて収入を上回る費用が一定程度発生することから、運営委託先の公募に当たっては、各管理者が最大公費支出額を示し、事業者に民間の経営力と統合効果などによる公費支出の削減を折り込んだ提案を求める混合型コンセッション方式をとることとしたところでございます。
これに対し、国管理4空港全体では、事業期間中を通じて収入を上回る費用が発生する見込みはないことから、公費支出を伴わない独立採算型のコンセッション方式をとり、運営権対価については、国が定める最低提案価格以上での提案を事業者に求めることとしているところでございます。
 
(梅尾委員)
次に、今後の取り組みについてでありますけれども、今般、4管理者のトップの間で実施方針の基本的な事項について合意がなされたわけですが、この合意を踏まえ、今後、道は、管理者である国、旭川市、帯広市や各空港の地元自治体とともに、道内7空港の一括民間委託の実現に向けて、どのように取り組んでいかれるのか、その決意を含めてお考えを聞きたいと思います。
 
(空港戦略推進監)
7空港の一括民間委託に向けた取り組みについてでございますが、今後は、このたびの合意を踏まえ、実施方針の策定公表からその先の公募や選定プロセスに向け、4管理者一体により具体的な制度設計等に取り組みますとともに、国とより緊密な連携のもと地元自治体を初めとする関係者の理解を深めながら、新たに公表したスケジュールを着実に進めてまいる考えでございます。
道としては、こうした取り組みにより、道内7空港の一括民間委託の円滑な実現を図り、道内航空ネットワークの充実強化により、道内外との人流、物流を拡大し、広域観光の振興や北海道全体の活性化につなげてまいりたいと考えております。