平成30年第2回定例会予算特別委員会第1分科会(7月3日)

2022.02.03


平成30年第2回定例会予算特別委員会第1分科会(7月3日)

1 危機管理について
・ 総合防災訓練の実施状況
・ 札幌直下型地震を想定した昨年度の総合防災訓練の実施状況及び課題並びに成果
・ 大雨災害を想定した今年度の総合防災訓練の概要と期待される効果
・ さまざまな危機対応における自衛隊との連携強化への見解
・ 自衛隊OBの未任用市町村に対する取り組み
・ 道内の自衛隊の体制維持に対する認識
・ 今後の対応等について

 
(梅尾委員)
私からは、危機管理に関してお尋ねをしてまいりたいというふうに思います。
今年の6月18日、大阪府北部を震源とする震度6弱の地震が発生し、ブロック塀の倒壊により小学生が亡くなるなど大変痛ましい事態となりました。
また、大阪府を中心に、広い範囲で被害が出ており、交通やガス、水道などライフラインの寸断が生じ、復旧に時間を要するなど、災害に対する都市インフラの脆弱さが課題となったところであります。
こうした中、6月26日には、政府の地震調査委員会において、新たな地震動予測地図が公表され、道東を中心に、大地震の発生の可能性が高くなるなど、さらなる防災対策が求められているところであります。
きょうも、道北を中心に、大雨による河川の氾濫が心配されるところでもあります。
道は、これまでも、過去の大災害を教訓として、さまざまな取り組みを行ってきたと承知しておりますが、自然災害への対応はもとより、災害時における自衛隊との連携など、本道の危機管理体制の一層の強化を図るべきと考えますことから、以下伺ってまいりたいというふうに思います。
一つ目として、これまでの防災総合訓練の状況についてお尋ねをいたします。
まず、災害時には迅速な対応が求められ、そのためには、平常時からの訓練が重要であります。
道では、防災総合訓練を毎年実施してきておりますが、これまでの実施状況についてお伺いをしたいというふうに思います。
 
(危機対策課長)
近年における道の訓練についてでございますが、平成23年に発生した東日本大震災を踏まえまして、平成24年度から28年度にかけて、沿岸線を有する市町村が所在する全ての振興局におきまして、地震と津波による災害を想定した防災総合訓練を実施したところでございます。
また、昨年度におきましては、一昨年の熊本地震を踏まえまして、札幌における直下型地震を想定し、札幌市と共同で実施したところでございます。
 
(梅尾委員)
私は、釧路総合振興局を中心にした、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震を想定した訓練を、現地に行って見せていただきました。道の職員の皆さんが非常に的確な指示や指導、行動をされ、初動の72時間の重要性を認識しながら頑張っておられるところを拝見して、大変頼もしく思ったところであります。
昨年度の防災総合訓練は、札幌直下型地震を想定した訓練で、私の記憶では2回目になりますが、その一部も見せていただきました。
この訓練は2回実施しており、課題も大きく浮かび上がったところでありますが、課題と成果についてお伺いをしたいというふうに思います。
 
(危機対策課長)
昨年度の訓練についてでございますが、熊本地震におきましては、救援物資の搬送や受け入れに課題がありましたことから、昨年度の札幌市との訓練では、札幌市とその近郊におきまして、物資の輸送のほか、避難所の運営や、救出、救助、さらには、学校の授業を活用した防災教育など、さまざまな訓練を過去最大規模で行ったところでございます。
本訓練につきまして、外部評価委員からは、人的、物的の両面からの応援・受援体制の構築を初め、防災教育、共通地図を活用した情報の共有などの面で、関係機関が連携協力した取り組みが評価された一方、避難所における物資の受け入れ手続などが課題とされ、こうした訓練の成果や課題を踏まえ、今後、同様な訓練を全道域で実施することが有効との見解が示されたところでございます。
 
(梅尾委員)
次に、今年度の防災訓練についてお尋ねをしたいと思います。
大地震の発生確率が引き上げられている一方で、水害、土砂災害による被害が毎年のように勃発しており、近年では、地球温暖化による気候変動の影響により、リスクが高まっていると認識をしているところであります。
そうした中で、今年度は、大雨災害を想定した訓練を実施すると伺っておりますけれども、その概要と期待される効果についてお伺いをしたいというふうに思います。
 
(危機対策課長)
今年度の防災総合訓練についてでありますが、本道は、一昨年の大雨災害はもとより、昨年も台風被害に見舞われたことを踏まえまして、今年度は、道内の広域における大雨災害を想定した訓練を、空知、石狩、日高、上川、留萌、十勝の6振興局において実施を予定してございます。
大規模水害の発生時におきましては、人命を最優先とする初動対応が何よりも重要でありますことから、地元市町村や自衛隊など防災関係機関を初め、道と協定を締結している民間事業者の方々とも連携しながら、孤立地域からの救出・救助訓練のほか、陸路、海路、空路による避難所への物資の輸送に加え、住民参加による避難所運営などの訓練項目を予定しているところでございます。
あわせまして、昨年課題となった、避難所における物資の受け入れの体制や手続の確認のほか、本年2月に策定した応援・受援マニュアル及び防災共通地図の検証を行い、本道の災害対応能力のさらなる向上に取り組んでまいります。
 
(梅尾委員)
今まさに、留萌、上川ではそういった状況が起きているわけでありまして、私の質問が終われば、すぐその対応に当たっていただきたいぐらいの気持ちで質問させていただいております。
先日も、石狩川水系の水防訓練があり、私も、行って見せていただきました。各消防団を初め、関係機関が連携を密にして、橋をかけたり、さまざまな訓練を本当に真剣に実施しておられました。訓練にまさるものはなしという言葉がありますが、訓練以上のことはなかなかできないのは間違いありませんので、これからも、ああいった訓練を、しっかりと連携をとりながら進めていただきたいというふうにお願いしておきます。
次に、自衛隊との連携についてであります。
先般の大阪府北部地震でもそうでありましたが、大規模災害においては、自衛隊への災害派遣要請を含め、自衛隊が有するマンパワーや資機材等は大変有効であると考えているところであります。
さまざまな危機対応において、自衛隊との連携強化を図るべきと考えますけれども、そのあり方について、お考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
 
(危機対策局長)
自衛隊との連携についてでありますが、さまざまな災害時におきまして、道民の皆様の安全、安心を確保するためには、自衛隊が果たす役割が大変重要であり、日ごろより、自衛隊との連携協力体制の構築が必要と認識しているところでございます。
このため、平成24年には、陸上自衛隊北部方面総監部と、大規模災害時における連携に係る協定を締結したほか、平成28年3月には、この協定を補完するため、大規模災害時に備えた北海道と陸上自衛隊北部方面隊との連携・協力に関する覚書を締結し、道が実施する訓練への北部方面隊の具体的な支援内容を、改めて相互に確認し合ったところでありまして、今後とも、防災会議を初め、各種訓練などを通じ、平素から情報や認識の共有を図るなど、さらなる連携協力体制の構築に努めてまいります。
 
(梅尾委員)
平成24年に協定を、28年には覚書を結んでおります。
きょうは指摘にとどめますが、協定については、より具体的な内容には至っておらないという状況が見受けられまして、私は、さらにしっかりした内容とするため、検討をすべき時期に来ているというふうに思いますので、その見直しについて改めて指摘をさせていただきたいと思っております。
次に、今答弁があったようなことを踏まえて、市町村における自衛隊OBの雇用促進についてですが、道では、自衛隊OBを職員として任用し、災害対応を初め、市町村に対する防災訓練のサポートなど、彼らが持つ経験やノウハウを最大限生かしていると認識しております。
危機管理のプロである自衛隊OBの職員としての任用は、全道の市町村でもふえてきておりますが、任用されていない市町村への波及も必要であると考えるところであり、道ではどのように取り組んでいらっしゃるのか、改めてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
 
(危機対策局長)
退職自衛官の能力の活用についてでございますが、市町村は、災害対応の第一線を担いますことから、迅速かつ的確な応急対策能力が求められており、こうした中、災害に対する経験や専門的知識を有する退職自衛官が職員として任用されている市町村では、防災訓練や防災教育の企画、実施を初め、自衛隊などとの連携調整などを担っておりまして、地域の防災対策上、大きな役割を果たされているものと認識しているところでございます。
道内の市町村における退職自衛官の職員は、現在、38団体において47名となっており、2年前と比べ、4団体、4名の増加となっておりますが、道としましては、各種会議、研修などの機会を通じて、退職自衛官の知見などを活用した取り組み事例や、国の財政支援制度などを市町村に情報提供するなど、道内の市町村において退職自衛官の能力がさらに発揮されるよう取り組んでまいります。
 
(梅尾委員)
今答弁がありましたが、退職自衛官の活動の大きな例として、昨年の十勝の大水害、それから、稚内、利尻、礼文の崖崩れ等のときに ― 臨時採用も含めて、9名の退職自衛官を採用していますけれども、この方々がすぐ現地に飛んで、各市町村長を初め、担当職員と連携をとりながら、対応に当たったことに対して、現地の市町村長を初め、職員の方々は、的確な対応に非常に感謝しているという声を聞きました。
できれば道職員だけでやるというのを基本として、自衛隊OBがサポートしていくのがいいかと思いますけれども、プロの知識、ノウハウを十分に利用しながら、職員の防災意識の高揚にさらに努めていく、そういったことが大事だというふうに私は思いますので、どうぞ、これからもしっかり任用の考え方を持っていただくよう、よろしくお願いしたいと思います。
次に、自衛隊の体制維持についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
国防を担う自衛隊に、大規模災害時には、人命救助を初めとする応急対応策に協力いただくことは必要不可欠であります。
しかしながら、本年、政府においては、新たな防衛計画の大綱が策定されることとなっており、道内の自衛隊の体制等への影響が懸念され、仮にも、北海道における自衛隊の削減や縮小などが行われれば、災害対応に非常に大きな影響を及ぼすのではないかと危惧しているところであります。
北海道における自衛隊の体制維持を強力に展開することを望むところでありますが、道の認識をお伺いしたいというふうに思います。
 
(危機対策局長)
自衛隊の体制の維持についてでございますが、自衛隊は、国防はもとより、国際平和協力活動や、国内における大規模災害時の救助、救援など、国内外での支援活動を通じ、我が国の安全、安心を守る使命を担っておりまして、その活動の重要性はますます高まっているものと認識しております。
また、道内におきましても、災害発生時の迅速かつ懸命な人命救助を初め、防災訓練や地域のイベントなどにも積極的に貢献いただいており、道内の市町村からも高く評価されているところでございます。
こうしたことから、道としましては、自衛隊の体制や機能が維持強化されるよう、道内の全市町村で構成される北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会と連携協力しながら、あらゆる機会を通じて、国に要望してまいります。
 
(梅尾委員)
最後になりました。
危機管理についてでありますが、危機管理とは、危機が生じた際、そのマイナスの影響を最小限にとどめ、即刻、危機の状況から脱出し、回復を図ることで、そのことが求められるわけであります。
本道における危機管理については、地震、津波、風水害などの自然災害はもとより、北朝鮮からのミサイルなど、その範囲は広く、求められる対応もさまざまであります。
本道の危機管理について、道は、今後、どのように対応していくのか、お考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
 
(総務部危機管理監)
危機管理に関し、今後の対応についてでございますが、地震や津波、火山の噴火、大雨などの自然災害はもとより、国民保護事案などの発生時におきまして、道民の皆様の生命や身体の安全を確保していくためには、道民お一人お一人に、日ごろから、災害などから命を守る行動について正しく理解していただきますとともに、道や国などの関係機関が連携の上、いつ起こるとも知れない危機に対し、十分に備えておくことが何よりも重要であると考えております。
このため、道では、まさかは必ずやってくるという認識に立ち、映像やイラストを用いた資料などを活用し、道民の皆様において危機に対する意識の醸成が図られますよう、今後より一層、普及啓発に努めますとともに、さまざまな危機事案を想定し、市町村や自衛隊など関係機関が連携した実践的な訓練に継続的に取り組むことにより、本道における危機対応能力のさらなる向上に努めてまいります。