平成30年第3回定例会(本会議)9月28日

2022.02.03


平成30年第3回定例会(本会議)9月28日

1.港湾施設の空洞化対策について
2.自然災害への対応について
3.道有建築物等のストックマネジメントについて
4.新たな住宅セーフティネット制度について

 
(梅尾要一議員)
通告に従いまして、順次質問をしてまいります。
まず、港湾施設の空洞化対策についてお伺いをいたします。
我が国では、社会資本の老朽化が大きな課題となっており、道路や河川などの土木施設について計画的な対策を講じることが求められております。
港湾施設においては、一般的に、厳しい自然状況下に置かれることから、材料の劣化、損傷等により、供用期間中に性能が低下することが懸念されております。
以下、質問をしてまいります。
1点目として、苫小牧港における空洞化調査の実施状況についてであります。
国においては、港湾施設の計画的な維持管理を推進するため、平成25年に港湾法を改正し、港湾施設の維持のために定期的な点検を行うことが明記されたところであります。
国内の港湾では、施設の老朽化による陥没等の事故も頻発しておりまして、本年5月には、新潟港の臨港道路において、空洞化による陥没事故も発生しており、道内の港湾においても、苫小牧東港でも陥没が起こっており、こうした事故の発生が今後も想定されるところであります。
道内の物流拠点である苫小牧港における港湾施設の点検、診断に係る空洞化調査の実施状況についてはどうなっているのか、まずお伺いをしたいと思います。
2点目として、道内の港湾における空洞化調査についてであります。
苫小牧港における空洞化調査の結果を踏まえ、道内の他港でも空洞化調査を実施する必要があるものと考えますが、港湾施設の適切な維持管理に向け、どのように取り組むお考えなのか、お伺いをいたします。
3点目として、港湾の事業継続計画の取り組み状況についてであります。
函館、室蘭、苫小牧、釧路、根室などの港湾では、地震や津波等の災害発生時における港湾機能の維持、早期回復に向け、港湾の事業継続計画、いわゆる港湾BCPを策定しております。
東日本大震災では、東北地方の太平洋沿岸など、複数の港湾で、岸壁の被災やガントリークレーンの損壊による荷役障害が発生したため、被災しなかった日本海側の港湾を使った代替輸送が行われたわけであります。
今月6日の北海道胆振東部地震や、千島海溝を震源とする地震の確率の上昇など、港湾BCPの重要性が高まっている中、単独の港だけではなく、太平洋岸など、広域的に取り組む必要があると考えますが、その取り組み状況などについてお伺いをいたします。
4点目として、災害時における港湾機能の回復についてであります。
今回の胆振東部地震の発生により、苫小牧港の国際コンテナターミナルが、液状化等により、数日間、閉鎖されたところであり、40施設、53億円とも言われる被害を受けました。
苫小牧港は、道内の港湾貨物量の約5割を占め、道産食品のアジア等への輸出拠点として重要な役割を担っており、道内経済に与える影響は少なくないものと考えます。
今回のような大規模災害が発生した際、北海道における港湾機能の回復などに向け、どのように取り組まれようとしているのか、お伺いをいたします。
次に、自然災害への対応についてであります。
従来、コンパクトシティーの推進については、魅力あるまちづくりやコミュニティー拠点の形成、低炭素化への対応、行政サービスの効率性などの観点から語られることが多かったと認識しておりますが、今後は、これまで以上に、人口減少時代を念頭に置いた防災対策の観点からも、コンパクト化を推進する必要があると考えます。
人的、財政的な制約が一層厳しくなることが見込まれる中で、安全、安心に対する住民ニーズにしっかりと応えていくためには、まちづくりや公共施設の整備改修に当たっても、コンパクト化の考え方のもとで、災害に強い、安全、安心な住環境や生活空間を確保していく考え方が重要になってくると考えます。
このことは、防災関連のインフラ整備を進める上でも一つの指針になると考えますが、道はどのように取り組んでいく考えなのか、お伺いをいたします。
次に、道有建築物等のストックマネジメントについてお伺いをいたします。
高度経済成長期に整備された多くの社会資本が、全国的に更新時期を迎えており、道有建築物も、昭和50年代に整備された施設が多く、今後、老朽化が急速に進行することから、これらの建築物等の老朽化対策は大きな課題となっているところであります。
多くの道有建築物等の老朽化が同時期に進行する中で、これらを適切に維持管理していくためには、点検から修繕、改修までの計画的な実施や、維持保全に係る業務の効率化などを一体的に進めるストックマネジメントの考え方に基づき、限られた財源の中で、必要な施設整備を行っていく必要があります。
道では、平成28年3月に、北海道ファシリティマネジメント推進方針を策定し、この方針に沿って、道有建築物等の適切な保全、長寿命化改修の実施などを進めておりますが、今年度から、建設部に修繕業務を集約化するなど、一元的な推進体制を整えたと聞いております。
そこで、道有建築物等のストックマネジメントの取り組みについて、何点かお伺いをいたします。
1点目として、建物の点検や保全の計画についてであります。
建築物の適切な修繕や改修を行うためには、まず、建築物の状況をしっかりと把握することが重要でありますが、各道立施設等では、専門の技術者ではなく、一般職員が維持管理などを担当していると聞いており、点検などがどのように行われているのか、また、計画的な修繕を実施するため、長期的な修繕計画をどのように作成しているのか、伺います。
2点目として、修繕業務の集約化についてであります。
道では、多くの道有建築物等の管理をしており、これらの老朽化が進んでいく中、今年度から、建設部において、関連の予算を集約し、修繕等を実施しているとのことでありますが、修繕には、計画的に行うものや、このたびのブロック塀の点検、補修などのように緊急を要するものがあります。
これらの修繕業務等を建設部に集約することにより、どのような効果が期待できるのか、お伺いをいたします。
3点目として、道有建築物等のストックマネジメントの取り組みについてであります。
道の推進方針においては、今後も厳しい財政状況の中、税法上の耐用年数を超えて使用できる強靱な建物等は、必要な長寿命化改修を実施し、さらなる長寿命化を図ることとしていますが、一方で、適切な執務環境の確保などの面で、建物の機能上、支障があるものについては、速やかに改築を行うなど、道有建築物等の適切な保全業務を進めていくことも必要と考えます。
道は、道有建築物等の適切なストックマネジメントに向けて、今後、どのように取り組んでいこうとしているのか、見解をお伺いいたします。
最後に、新たな住宅セーフティネット制度についてであります。
1点目は、住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅の登録についてでありますが、今後増加すると見込まれる単身高齢者や低所得者、子育て世帯等は、家賃滞納、居室内の事故、孤独死、騒音等に対する懸念から、入居を断られることもあり、こうした方々が安心して入居できる賃貸住宅等を確保し、円滑な入居に結びつけていくことが重要となっております。
一方、道内の市町村では、人口減少等を背景として、空き家、空き室が今後も増加していくと言われており、これらを有効に活用していくことも、早急に取り組まなければならない課題であります。
このような状況を踏まえ、国は、空き家等を活用して、高齢者や子育て世帯といった、いわゆる住宅確保要配慮者に対する住宅セーフティーネット機能を強化するため、住宅セーフティネット法を昨年改正し、こうした方々の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度や、入居支援等を行う居住支援法人の指定制度などを創設したわけであります。
道では、住宅セーフティネット法の改正を踏まえ、昨年10月、北海道住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画を策定し、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に向けて取り組んでいるとのことでありますが、計画では、平成37年までに6600戸の賃貸住宅を供給する目標を掲げているものの、今年8月末までの登録戸数は16戸にとどまっております。
今定例会には、登録に向けたハードルを低くするため、登録手数料を廃止する条例改正案が提案されておりますが、目標値と現在の登録戸数を比較すると、一層の対策が求められると考えます。
道は、このような状況をどう認識し、登録の促進に向けて、どのように取り組む考えなのか、お伺いをいたします。
また、関係機関等との連携についてお伺いいたします。
住宅確保要配慮者の入居を促進するためには、道の主体的な取り組みのほか、市町村との連携や、賃貸住宅の契約管理に関する事業者、要配慮者の居住支援を行う団体等との連携が特に重要と考えます。
道は、こうした関係者とどのように連携し、住宅確保要配慮者の円滑な入居を促進していくお考えなのか、お伺いをし、私の質問を終わります。
 
(高橋知事)
梅尾議員の御質問にお答えをいたします。
最初に、港湾施設の空洞化対策に関し、まず、港湾施設の維持管理についてでありますが、国においては、高度経済成長期に集中的に整備された港湾施設の老朽化対策として、各港湾管理者に、維持管理計画の策定を義務づけているところであり、おのおのの港湾においては、この計画に基づき、岸壁や防波堤、臨港道路などの対象施設について、計画的に、点検、修繕が実施されていると認識をいたします。
今回、苫小牧港管理組合が実施した点検調査では、岸壁などに空洞の可能性が確認され、災害時には被害が拡大することも懸念されますことから、道内のほかの港湾でも速やかな定期点検が必要と考えるものであります。
道といたしましては、引き続き、港湾管理者と連携を図りながら、港湾施設の機能が低下しないよう、適切な維持管理に必要な予算の確保や、点検、診断にも活用可能な交付金制度の創設などを国に要望してまいります。
次に、災害時における港湾機能の回復についてでありますが、港湾は、道内の物流や産業の拠点のみならず、災害時における緊急物資の輸送拠点としての役割も担うことから、被災により低下した物流機能の早期回復に向けて定めた港湾の事業継続計画、いわゆる港湾BCPは大変重要であります。
今回の災害においては、苫小牧港を含む道央圏港湾BCPに基づき、苫小牧港などの被災や復旧の状況について、関係機関で情報を共有するとともに、荷主などが代替輸送の判断をするための調整を行うなど、機能維持に向けた相互協力が図られたところであります。
道といたしましては、関係機関の連携体制を強化するとともに、国や港湾管理者と共同で、今回の災害における対応を検証し、より実効性の高い港湾BCPに向けて、必要な見直しを行うなど、災害時における早期回復や港湾機能の維持が図られるよう、積極的に取り組んでまいります。
次に、自然災害への対応に関し、コンパクトシティーの推進についてでありますが、人口減少や高齢化が進行する中、居住機能、都市機能を災害リスクが低い地域へと誘導することにより、コミュニティーや行政サービスを確保していくことは、防災・減災対策における共助、公助の面からも重要であると認識をいたします。
道では、これまでも、市町村に対して、土砂災害警戒区域など、防災、減災に関する情報の提供や、安全でコミュニティーが持続される都市像を提示し、防災、減災に向けた住民の理解や市町村の主体的な取り組みが進むよう、普及啓発に努めてきたところであります。
今後は、平成32年度までに全道の79区域で見直すこととしている、将来像を示す都市計画区域マスタープランに、これまでのコンパクトなまちづくりに加え、新たに、都市の防災性の向上を基本理念として明示するなど、インフラ整備とあわせた、安全、安心なまちづくりに向け、市町村と連携をしながら取り組んでまいります。
次に、道有建築物等のストックマネジメントに関し、今後の取り組みについてでありますが、道では、道有建築物の老朽化が進行する中、施設を可能な限り長く使用できるよう、計画的に修繕を進め、更新コストの削減や長寿命化を図ることが重要でありますことから、北海道ファシリティマネジメント推進方針に基づき、施設の長寿命化に向けた診断と改修を実施するほか、長寿命化に適さない施設については、庁内の関係部局で構成する施設整備検討会において、施設の建てかえや移転集約を含めて検討することといたしているところであります。
道といたしましては、修繕業務の集約化による効果を発揮できるよう、体制のあり方を検討し、施設管理者が行う保全業務への技術支援を一層進めるとともに、道有建築物の長寿命化やライフサイクルコストの縮減など、ストックマネジメントの強化に取り組んでまいる考えであります。
最後に、新たな住宅セーフティネット制度に関し、住宅の登録の促進に向けた取り組みについてでありますが、高齢者、低額所得者、子育て世帯など、住宅確保に配慮を要する方々のさまざまな居住ニーズに対応し、効率的に適切な住宅の提供を進めるためには、公営住宅やサービスつき高齢者向け住宅などに加え、民間の空き家、空き室を、居住を拒まない賃貸住宅として活用することが有効であり、登録の促進に向けた取り組みを強化する必要があると考えるものであります。
このため、道では、登録申請に係る申請者の負担を大幅に軽減するとともに、今定例会において登録手数料の廃止を提案したところであり、こうした取り組みについては、ホームページで周知するほか、今後、全道で事業者向け説明会を行うなどして、賃貸住宅のオーナー等に一層の理解をいただきながら、登録の促進を図り、道民の皆様の安全、安心な居住の確保に取り組んでまいる考えであります。
なお、その他の御質問につきましては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
以上であります。
 
(総合政策部交通企画監)
港湾施設の機能維持などに関し、まず、苫小牧港における空洞化調査についてでございますが、苫小牧港では、国が平成25年度に行った、岸壁など港湾施設の緊急点検調査の結果、58カ所において空洞の可能性が判明したところであり、港湾施設の管理者であります苫小牧港管理組合や民間事業者では、目視による経過観察を行うとともに、必要に応じて詳細調査を実施してきております。
また、苫小牧港管理組合では、本年3月に陥没が確認された東港区の護岸について緊急点検を行った結果、新たに57カ所で空洞の可能性が判明し、そのうち、空洞が実際に確認された箇所については、立入禁止の措置や、注意喚起の看板を設置するとともに、計画的な補修の実施に向けて検討を行っております。
次に、港湾の事業継続計画、いわゆる港湾BCPの取り組み状況などについてでございますが、国の国土強靱化基本計画では、道内の12の国際拠点港湾や重要港湾の管理者は、災害の発生に備え、港湾BCPを定めることとなっており、昨年3月までに、これら全ての港湾で計画の策定が終了してございます。
また、国や港湾管理者が連携した広域的な港湾BCPについても、苫小牧港、小樽港、石狩湾新港などの道央圏の港湾や、苫小牧港、函館港、室蘭港、釧路港などの太平洋側の港湾においても、それぞれ計画が策定されており、災害発生時における施設の点検や資機材の貸し出し、被災港にかわる港湾への代替輸送など、道内の港湾の機能維持などに、各港が連携をして取り組むこととされてございます。
以上でございます。
 
(建設部建築企画監)
初めに、道有建築物等のストックマネジメントに関し、建物の点検や保全計画についてでありますが、道では、施設の適切な点検、保守、修繕が行われるよう、具体の点検方法や長期的な修繕計画の作成方法などを記載した北海道建築物等保全マニュアルを作成しており、施設の点検につきましては、各施設管理者が、マニュアルに基づき、日常点検と年に1回実施する定期点検により、建築物のふぐあいや安全状況を確認するとともに、必要に応じ、技術職員が現地確認を行うなどして、建築物の状況の把握に努めております。
また、長期的な修繕計画につきましては、技術職員が、定期的に現地で施設の劣化状況を調査するほか、施設管理者が、マニュアルに基づき、建築物の仕様ごとに更新時期を入力することにより、計画の作成や更新ができるようにするなど、技術的な支援をしているところであります。
次に、修繕業務の集約化による効果についてでありますが、道では、各施設管理者が行っておりました修繕業務を、本年度から、専門知識を有する技術職員が中心となり、計画から予算計上、工事の実施までを一体的に行えるよう、建設部に集約したところであります。
これにより、長寿命化を目的とした計画的な修繕の実施に当たりましては、技術職員が現地調査を行うことで、予防保全型による修繕が可能となったところであります。
また、各施設間における保全水準の統一化や予算の平準化、業務の効率化が図られるとともに、小規模な破損、故障への対応のほか、近年頻発する災害の際における緊急的な修繕につきましても、的確かつ迅速な対応が可能となるといった効果があると考えております。
最後に、新たな住宅セーフティネット制度に関し、関係機関等との連携についてでありますが、道では、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に向けた支援の充実を図るため、平成22年度に、住宅セーフティネット法に基づき、居住支援協議会を設置し、不動産業の団体、社会福祉協議会などを構成員として、情報の共有、各構成員が実施する施策や事業の連携について、毎年、協議を行ってきております。
また、本年3月には、地域での活動を促進し、要配慮者に対してより細やかな対応を図るため、居住支援協議会への参画を希望する市町村のほか、住宅相談や入居後の見守りなどを行う団体として道が指定した住宅確保要配慮者居住支援法人を構成員に追加いたしました。
道といたしましては、こうした居住支援協議会での取り組みに加え、市町村の住宅部局や福祉部局を対象とした会議の場において、制度概要の説明や先進事例の紹介などを通じて意見交換を行い、各市町村での取り組みの促進に向けて、市町村、関係機関等と連携を強化してまいります。
以上でございます。