平成26年特別委員会 道州制・地方分権改革等推進調査特別委員会②

2014.06.16

平成26年特別委員会

道州制・地方分権改革等推進調査特別委員会
① 道州制・地方分権改革等推進調査特別委員会(2月5日)
一 国の事務権限移譲等見直し方針について

② 道州制・地方分権改革等推進調査特別委員会(6月16日)
一 道州制をめぐる地方団体の意見の対立について
二 道と市町村の地方自治をめぐる連携・協力について

 
 
道州制・地方分権改革等推進調査特別委員会② 6月16日

一 道州制をめぐる地方団体の意見の対立について

(一)北海道町村会等の動きについて
 
梅尾委員
北海道町村会、北海道町村議長会が先般開催した集会において、道州制推進基本法案に反対する表明を行いました。
この意図するものはどのようなものとお考えなのか、所見を伺います。
総合政策部地域主権局参事
道州制に関する地方団体の動向についてでありますが、北海道町村会および北海道町村議会議長会においては、去る5月24日に、札幌市内で、「道州制問題考える緊急集会」を開催したところ。
この集会は、道内の町村長と町村議会議長が 道州制が抱える問題を共有し、今後の地方分権改革に向けた取組に資することを目的とするとともに、政府与党が、現在、道州制に関する法案の今国会への提出を検討しているという状況を踏まえ、この集会を通じ、改めて、道州制の導入に反対する意向を表明したものと認識。
 
(二)北海道町村会等の懸念に対する認識ついて
 
梅尾委員
これ以上の市町村合併を進めないでほしいことと、道州が今以上の権限や予算を持つことによって、地方における対等の関係が崩れ、上下関係が進むことに対する懸念が根底にあると考えられますが、これは、これまで道州制を推進し、支庁制度改革や市町村合併を進め、権限移譲を行ってきた一連の道の施策を真っ向から否定するものであると思いますが、どのように認識していますか。
 
総合政策部地域主権局長
道州制に関する懸念についてでありますが、道州制の下では、住民に最も身近な基本自治体の役割や権限が、より強化されることが想定されることから、強制的な市町村合併につながりかねないといった懸念が、町村会などから表明されているところ。
道としては、道州制は地方分権を推進し、地域のことは地域自らが決定できる分権型社会の実現を目指すものであると考えているが、今後の地方分権の推進に当たっては、市町村と十分協議しながら、相互の理解が深まるよう努めて参りたい。
 
(三)北海道町村会等の考え方について
 
梅尾委員
町村会などは、何故このような見解を持つに至ったのでしょうか。
一方、知事はどういう立場なのか、伺います。
 
総合政策部地域主権局長
北海道町村会等の受けとめについてでありますが、与党において検討が進められている道州制推進基本法案に関し、道町村会などからは、道州制は、新たな中央集権体制を生み出すものであり、地域間格差が拡大し、住民自冶が埋没するといった懸念が表明されているところであり、両者において、道州制の必要性やイメージなどが、必ずしも共有されていないと考えているところ。
道としては、道州制は、これまでの中央集権体制を改め、新たな時代にふさわしい分権型社会の実現を図るための有効な行政システムの一つであると考えているが、この国の形を変える大きな改革であることから、十分な時間をかけて、国と地方が共通の認識に立てるよう、国民的な議論が行われる必要があると考えているところ。
 
(四)道州制推進基本法案について
 
梅尾委員
道州制推進基本法案の内容が地方団体の反対によって変化する可能性や、今後の法案の取組を含めた推移について伺います。
 
総合政策部地域主権局参事
道州制推進基本法案についてでありますが、各地方団体からは、これまで、この法案に関し、道州制そのものに反対、あるいは、道州制の理念や姿を具体的かつ明確に示すべきといった様々な見解が表明されてきたところであり、また、与党においては、道州制推進本部を中心に引き続き、基本法案の議論が進めると承知しているが、国会への提出時期などの具体的な動きについては、明らかになっていないところ。
道としては、今後とも、全国知事会とも十分に連携しながら、与党内の検討状況の把握などに努めて参りたい。
 
(五)道と市町村との連携・協力について
 
梅尾委員
今後、人口減少、少子高齢化、景気の回復、雇用確保など、地方対策や分権時代における新しい自冶のあり方をめぐって、道は市町村と協力、連携していかなければならないと考えますが、こうした事態は、根本的な対立を孕んでいるだけに、深刻であると考えます。
早急に胸襟を開いた協議の場を持つべきと考えますが、どのようにお考えか伺います。
 
総合政策部地域主権局広域連携担当局長
道と市町村との連携・協力についてでありますが、道としては、これまでも北海道市長会や町村会とともに設置した「広域的な連携を活用した地域づくり促進検討会」や振興局単位で道と市町村が協議する「地域主権型社会推進実務者会議」などの場において、道からの市町村への権限移譲や地域連携の取組といった自冶体の行政体制などについて、意見交換を重ねてきた。
今後も、あらゆる機会を活用して、市町村と認識の共有を図り、より一層の連携、協力の下で、地域課題の解決に向け、取り組んでまいる。
 
(六)地方分権改革に関するこれまでの取組について
 
梅尾委員
町村会などの問題提起は、道州制に対する根本を問うと考えています。
道は、分権改革と道州制についての問題、市町村合併の功罪について真剣に検証、総括し、その上で市町村と協議しなければならいと考えます。
ただ、従来の見解を振りかざして前に進むのは問題を残すと考えますが、このことについてのご見解を伺います。
 
総合政策部長兼地域振興監
本道における分権改革についてでありますが、これまで、道州制や権限移譲など、分権改革の取組については、地域ごとの説明会や意見交換などを通じて、市町村等に対して、国の動向や道の考え方などの情報を提供し、意見を聴くとともに、市町村合併などの取組についても、アンケート調査などのフォローアップを行い、その成果や課題の把握に努めてきたところ。
道としては、人口減少や高齢化の進行など、地域を取り巻く環境が厳しさを増す中で、住民に最も身近で、地域の総合的な行政主体である市町村が、多様な行政サービスを持続的に提供していくためには、市町村相互や、道と市町村の連携がこれまで以上に重要になるものと考えおり、今後とも、様々な場を活用し、市町村と十分協議し、理解を得ながら、道内における分権改革の取組を進めて参りたい。
 
二 道と市町村の地方自冶をめぐる連携・協力について
 
(一)事務権限移譲の状況について
 
梅尾委員
次に、道から市町村への事務・権限移譲に関して伺います。
道では、移譲方針を策定し、それに基づき市町村に対し、積極的に移譲を進めてきました。
これまで、どのくらいの権限を市町村に移譲しているのか、伺います。
 
総合政策部地域主権局参事
事務権限移譲の状況についてでありますが、道では、住民に身近な行政サービスは、住民に最も身近な地方公共団体である市町村が担うことが望ましてとの考え方のもと、条例による事務処理の特例制度を活用して、市町村に対する事務・権限の移譲を進めているところ。
平成25年度末において、道が所掌する権限の中で、市町村が担うべと考えられる3,133の権限のうち、約半数に当たる1,631の権限をいずれかの市町村に移譲しているところ。
 
(二)市町村の考え方について
 
梅尾委員
今伺ったところでは、道が移譲対象とする権限のうち、約半数程度しか、移譲されていないということであります。
市町村毎に見れば、権限移譲に対し積極的な市町村もあるとは思いますが、総体的に見ると、必ずしも道内の市町村へ権限移譲が進んでいないものと考えます。
道では、市町村への移譲が進まない理由はどのようなとこにあると考えているのか、伺います。
 
総合政策部地域主権局参事
権限移譲が進まない理由についてでありますが、平成24年度に実施した道内市町村に対するアンケート調査では、権限移譲に対する今後の取組として、約28%の市町村が「これまで受けてきたし、今後も受けていきたい」と回答している一方、約70%の市町村が「これまで受けてきたが、今後は様子を見ながら受けていきたい」と回答しているところ。
今後様子を見ながら権限を受けていきたいと回答した市町村からは、「受入可能な権限はある程度移譲済みとなったことから、今後は住民の要望や移譲の環境の変化などを踏まえて検討していきたい」、「教員数を減らしたので、事務事業の内容を考慮して受けていく」、「専門的知識が必要なものなどは、容易に人員増とすることは難しい」といった意見が寄せられており、職員数の減少や専門職員の人材不足などが影響し、最近は、道からの市町村への事務・権限の移譲が進んでいないものと考えるところ。
 
(三)事務権限移譲の進め方について
 
梅尾委員
市町村の意見を踏まえて、移譲を受けやすくするため、当面は移譲対象を絞りこむとのことであります。
道と市町村とは対等の関係にあり、そのことを常に意識し、権限の移譲の取組を進める必要があると考えます。
一方、国では道と全く違う方法で、権限移譲を進めているようでありますが、どのような違いがあるのか、伺います。
 
総合政策部地域主権局参事
事務権限移譲の進め方の違いについてでありますが、国においては、全国知事や市長会・町村会から意見を聞きながら、都道府県や市町村を対象として、事務・権限の移譲を一律に行ってきたところ。
一方、道としては、条例に基づく事務・権限の移譲にあたっては、個別の市町村の意向を尊重し、市町村の自主的な要望に基づき、道から市町村への事務・権限の移譲を進める、いわゆる「手挙げ方式」を採用しているところ。
 
(四)市町村との関係について
 
梅尾委員
支庁制度改革や市町村合併を通じて発生した市町村との関係悪化の要因は何であるかと捉えているのか、伺います。
 
総合政策部地域主権局参事
市町村との関係についてでありますが、支庁制度については、市町村の皆様方から、地域の意見を聞くべき、もっと慎重に進めるべきといったご意見もあったところであり、また、市町村合併について、道としては、自主的な合併に取り組む市町村の支援に努めてきたところであるが、この度の国の道州制をめぐる動きに対して、市町村においては、強制的な合併が進められるのではないかとの懸念があるものと認識。
道としては、地方分権改革の取組は、市町村のご理解をいただきながら進めることが何よりも重要であると考えており、今後とも積極的な情報提供や意見交換を行い、市町村の理解の促進に努めてまいりたい。
 
(五)他県の取組について
 
梅尾委員
奈良県は、市町村からの県への事務権限移譲含む相互補完を行い、県と市町村がまさに対等の立場で協力連携する関係を基本として自冶にあたっています。
秋田県は、振興局と市が一体(二重行政の解消のための業務主体)となって協働態勢のもとで自冶を行っています。
一方、道は事務・権限の移譲は道から市町村へという一方向であり、市町村との上下関係が解消に進むというよりは、ますます上下関係が強調されるように思われ、これでは権限移譲も一向に進まないものと考えます。
奈良県や秋田県と比べると、道の市町村への対応は非常に権威主義的で冷たいとすら感じられ、われわれと同行した職員から実態については報告を受けていると思いますが、どのように思い、どのように対応しようとしているのか所見を伺います。
 
総合政策部地域主権局参事
他県の取組についてでありますが、道としては、この度、本委員会が調査を行った奈良県における、地域医療提供体制の充実や道路橋りょうの維持管理といった、県と市町村間の連携の取組や、秋田県において、市町村合併により、横手市(よこてし)と平(ひら)鹿(か)地域振興局の管轄区域が同一となったことを踏まえ、建設分野や観光物産・商工労働分野などの執務室をワンフロア化し、住民サービスの向上を図っている取組について、今後、道内における市町村間の事務・事業の共同化や道と市町村との連携のあり方などの検討に当たって、大変参考になる取組であると認識しているところ。
今後、道では市町村への事務・権限の移譲などにおいても、市町村と十分な協議を行い、相互理解を深めながら、取組を進めてまいる考え。
 
(六)振興局への権限委譲について

梅尾委員
秋田県では県の出先である振興局と市が業務合体をし、ワンフロアで業務を行っていました。
市町村との連携を考える上で振興局がその接点になっており、振興局を最前として取り組んでいくべきであると考えところであります。
ところが、支庁制度改革において、300程度の権限を本庁から出先である振興局に委譲するとしていたが、いくつ委譲できたのでしょうか。
また、できなかった理由は何なのか、伺います。
 
総合政策部地域主権局参事
振興局への権限移譲についてでありますが、支庁制度改革においては、地域における事務の完結性を高め、地域のニーズに柔軟かつ機動的に対応するため、約380項目の権限を本庁から振興局へ委譲することとし、これまで、土砂災害警戒区域及び土砂災害警戒特別区域の指定に係る2項目の権限を振興局長に委譲したところ。
振興局への権限委譲については、総合振興局が振興局の事務を担う広域事務の権限に関する関係団体との協議が整わなかったことや、振興局ではなく、市町村への権限移譲を優先することとした権限などもあるが、都道府県の権限を市町村に移譲する国の分権改革の動向を踏まえ、振興局への委譲を検討していた権限について、現在、精査を行っているところ。
 
(七)振興局の現状について
 
梅尾委員
出先に権限がないために、各町村からの要望はいちいち本庁に伝え、本庁の見解、指示を求めなければならないのが現状であります。
本庁の担当には、ややもすると市町村の実態を知らないで結論を出す場合も見受けられます。
振興局はどこを向いているのか、道民か本庁か、という問題が起きるのであります。
また、開発局など国が直接補助するメニューが増えてきて、道より使い勝手がいいからと言って、振興局、本庁をとばして国と直接やり取りする自冶体も出できて、道はますます市町村と縁遠い存在になっていくのではないかと考えます。
これでいいのでしょうか、改革する必要はないとお考えなのか、伺います。
 
総合政策部地域主権局長
振興局の現状についてでありますが、道では、新たな振興局体制のもと、道内各地域の振興に向け、地域づくり総合交付金における事業採択権の委譲、振興局独自事業における事業決定権の強化、さらには組織編成における地域裁量枠の付与など、振興局長の権限強化を進めてきたところ。
道としては、振興局がこれまで以上に地域の課題に的確に対応した政策を展開できるよう、来年度に予定している振興局設置条例で定める在り方検討に向けて、振興局の機能面の検証など、課題の整理を進めてまいる考え。
 
(八)新しい自冶のあり方について
 
梅尾委員
分権時代における本道の新しい自冶のあり方はどうあるべきか、と言うビジョンがないままでは、市町村は道の施策に信頼を置くことができないと認識しています。
早急に新しいビジョンを示し、道と市町村が共に向かうべき姿・形を明らかにすべきであります。
ご見解を伺います。
 
総合政策部地域主権局広域連携担当局長
北海道の自冶のあり方についてでありますが、本道においては、急速に人口減少や高齢化が進む中で、将来的に、行政サービスを維持することが難しくなる自冶体が生じることも懸念されるところ。
こうしたことから、道としては、地域のことは地域の責任の下に決定するという分権型社会の実現を目指し、加速する人口減少や高齢化が進行する中においても、地域の総合的な行政主体である市町村が、今後とも、住民に、多様な行政サービスを持続的に提供していくためには、市町村間や道と市町村の連携が益々重要になるものと考えており、道と市町村が分権型社会に向けて協議を行う「地域主権型社会推進事務者会議」など、様々な機会を活用しながら、道と市町村の役割分担や連携のあり方など、地方行政体制のあり方について市町村とともに議論を深めてまいる考え。
 
(九)振興局の役割について
 
梅尾委員
地方は今、消滅の危機すら囁かれるほど、厳しい状況におかれています。
地方対策が今ほど求められている時はないと認識しております。
本庁の仕事を通して総合的、計画的な地方対策を打ち立てること、道の最前線にいる振興局に対策の実務を担ってもらうことが求められますが、ご見解を伺います。
 
総合政策部地域主権局長
振興局の役割についてでありますが、道では、人口減少などを見据えた持続可能な地域づくりを道政上の重要課題と位置づけ、今後の地域の在り方や必要な施策について、分野横断的な検討を進めることとしているが、こうした中では、各振興局が、これまで以上に地域の課題に即応した効果的な政策を推進していくことが必要である。
このため、市町村等の緊密な連携を一層図りながら、地域の実情に応じた施策を効果的に進める中核的な役割を各振興局が担うことなどを視点として、現在、地域振興条例の改正に向けた検討を進めているところであるが、それと同時に、平成27年度における振興局の在り方検討に向け、振興局の機能面の検証や地域の方々の意向把握の方法など、課題の整理を進めてまいる考え。
 
(十)市町村との協議について
 
梅尾委員
いずれにしても、今のような道と市町村の関係が悪い状態で、協力や連携は望むべくもない。ここは、トップ同士が胸襟を開いて協議し和解の道を探りながら、真の連携の道を模索すべきと考えるが、所見を求める。
 
総合政策部長兼地域振興監
市町村との協議についてでありますが、道としては、人口減少や高齢化の進行などにより、地域を取り巻く環境が一層厳しくなることが予想される中、地域の総合的な行政主体である市町村が、今後も、住民に行政サービスを持続的に提供していくためには、市町村相互や道と市町村との連携がより重要になるものと認識。
道では、これまでも北海道市長会や町村会とともに設置した「広域的な連携を活用した地域づくり促進検討会」や振興局単位で道と市町村が協議する「地域主権型社会推進実務者会議」などの場において、それぞれの役割分担や連携のあり方などについて、協議を行ってきたところ。
今後は、更に市町村長が参画する振興局毎の「地域づくり連携会議」なども活用しながら、市町村との連携を一層深め、地域の課題などについて幅広く検討してまいる考え。